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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
知らず立ちこめる暗雲
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流れに沿えばポカをやらかした部分を見つけやすいと踏んだのである。
「―――――え?」
その結果―――彼女の人生は変わる。
念写によって映し出されたのは、見たこともない筆記道具を手に喜んでいる射命丸の姿と、取材対象であろう男性の姿だった。
普段の整然とした様子からはかけ離れたはしゃぎ様は、確かに格好のネタになったであろう。
だが、はたてにはそんな光景は視界に入っていなかった。
彼女の琥珀色の瞳には、褐色の男性―――エミヤシロウしか映っていなかった。
「………素敵」
思わず溜息が溢れる。
白髪のオールバック、健康的な褐色肌、ワイルドに決めた服装、鷹を思わせるような鋭い眼光。
どれを取っても、はたての好みと合致していた。
元々内向的で交友関係が薄いと語ったが、それを差し引いても天狗社会の男性ははたての好みとは正反対だった。
妖怪は概念が強さに直結する部分が強い為、外見に強さが表れないことが殆どである。
鬼のような如何にも腕っ節が求められる種族ならばともかく、天狗は狡猾さが目立つ種族として認知されている傾向が強い為、必然的に細腕のスマートな形か大天狗のような極端な大柄になるかのどちらかに分類されるようになっていた。
当然、どちらもはたての好みのタイプではないので見向きもしなかったし、期待もしていなかった。
自分の内向的な性格も自覚していたこともあり、一生そういうのとは縁のない人生を過ごすものなんだと無意識の内に納得していた。
にも関わらず、その妄想は容易く崩れ去ることとなる。
気が付けば、彼女は外へと飛び出していた。
向かうはエミヤシロウの下―――ではなく、取材者である射命丸の所。
念写を使えば辿ることも不可能ではないが、キーワード不足であるため信用性に欠けてしまうこともあるが、直接彼の下に赴く勇気がなかったからというのが大半を占めていたからである。
「文、いるんでしょう!?開けなさい!」
射命丸の部屋に辿り着くが否や、乱暴に扉を叩き呼びかける。
数秒の間を置き、気怠そうな様子の射命丸が姿を見せる。
徹夜明けなのか、眠そうにしている。
しかし、そんな事情は今の彼女が止まる理由にはならなかった。
「なんですかいきなり。五月蠅いですねぇ」
「入るわよ」
抗議の声を無視し、部屋に侵入する。
射命丸はそんな傍若無人な姿に呆れながらも、慣れたものだと何も言わずに部屋に入れる。
「ねぇ、この男性は誰なの?」
おもむろに携帯を取り出し、先程念写した映像を見せる。
普段の強引さのなかに、どこか鬼気迫る様子を抱えたはたてに、射命丸は何事かと内心狼狽える。
「あぁ、それですか。とある事情で知り合ったエミヤシロウという方です」
「エミヤシロウ―――ああ、なんて力強
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