第一部「数奇なる騎士」
第06話「決意の矛先」
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、お前よ…」
タスク・シングウジがタカヤに駆け寄る。
「少し休めよ、な?そんなに根詰めなくたっていいだろ?」
「あんたは…」
「俺はタスクだ。タスク・シングウジ。」
タスクは飲み物を手渡しながら言った。
「あ、すみません…、でも足りねぇんだ。あいつに…あの野郎に勝つにはまだッ!」
タカヤは悔しそうに言った。
「あいつって?」
タスクが尋ねる。
「ライトフォード・シラヌイですよ…、あいつに勝つにはまだ足りねぇ…」
タカヤは唇をかみ締める。
「ライト…フォード?ああ、あのヒュッケバインの!」
タスクがポン、と手を叩く。
「はい、あいつ、前の作戦で「自分ならなんでもできる」みたいなこと言ってて…それが冗談に聞こえなくて…それが悔しくて…!」
タカヤは右手を握り締めた。
「なんでもできる…ねぇ…」
タスクは天井を見る。
「じゃあ、逆に考えてみろよ。そのライトに、できないことがないかってよ。」
そして、再びタカヤのほうを向いて言った。
「タスクさん…」
「呼び捨てでいいぜ、そこまで歳も変わらんし。敬語もなしだ。お前、名前は?」
タスクがにっと笑う。
「…タカヤ・ハスナカだ…ありがとな、タスク。」
そこへ…
「ようタスク、今日は随分やってるじゃねえか!7時間はいりっぱって聞いたが…」
カチーナ・タラクスがシミュレータールームに入る。
「ん?みねぇ顔がいるな。お前が噂のライトフォード・シラヌイか?」
カチーナがタカヤに話しかけた。
「ちょっ!カチーナ中尉!」
タスクが慌てて説明しようとする。
「…れは……ヤ…スナカです…」
「ンァ?なんだと?」
カチーナが下を向いたタカヤの顔をのぞくように見る。
「俺はっ!タカヤ・ハスナカですッ!!」
タカヤはそれだけ怒鳴ると、全速力で走り去った。
「ッなんなんだよあいつはっ!名前くらい!会ったことねぇんだから仕方ないだろうに!」
カチーナは憤怒した。
「カチーナ中尉、実はっすね…」
***
「あ、タカヤ!」
ミナミが通路でタカヤを見つけ、駆け寄る。
「ミナミ…なんか用かよ?」
タカヤが沈んだ口調で応える。
「ちょっと、どうしたのよ。汗だくじゃない。」
ミナミがタカヤにハンカチを差し出す。
「いらねえよ!」
タカヤはその手を振り払う。
「あんたねえ!いいわけないでしょ!どうせライトのことでまだ意地張ってんでしょ!?」
ミナミが怒鳴る。
「どうせ?どうせだと!?」
「そうじゃない!何でそこまでライトにこだわるのよ!?あんたは
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