#2 いや、実は両性類っす。
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止めたらしい。
口を尖らせまま、オレの正面で女の子座りする。
ドアの外にいたロゼは、恐る恐る部屋の中へ入ってきて、オレの隣に腰掛ける。
「さて、約束通りセツナの秘密を話して貰おうか」
「おう!実はアタシ、泳げないんだ!」
「……お、泳げない?」
「そうなんだよ。いくら頑張っても犬掻きしかできないんだ!」
「……犬掻きでも泳げる部類に入るだろ、それ。つーか大した秘密じゃないじゃん」
オレの秘密はまだまだあるが、知られたら死活問題になるモノばかり。
それに比べたら、泳げないなんて何の秘密にもならないだろう。
セツナのバカさ加減に呆れ、溜め息混じりに項垂れると、隣に腰掛けるロゼがタブレット端末をしきりにいじり始める。
『お腹空いた』
お絵描きアプリでタブレット端末のディスプレイに書かれたこの文字を見て、オレはふと壁に掛けてある時計を見上げる。
時計の針は既に正午を回っていた。
「もうこんな時間か。よし、飯にするか」
「咲哉!!アタシ焼きうどん!!」
「そうかセツナ。お前は焼きうどんなのか。さてどんな味がするのかな?」
「や、止めろ!!アタシを食うなヘンタイ!!」
「誰が食うかよ?このアホ」
『咲哉お手製激辛麻婆豆腐。特盛で』
ロゼが掲げたタブレット端末のディスプレイを見て、絶句するオレとセツナであった。
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