#2 いや、実は両性類っす。
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捻りを加えた強烈な肘鉄を腹部へ一発。
「ぐわっ!?」
肘鉄が効いたのかよろめくセツナにさらに追撃。
反撃に警戒して密着した身体を素早く離すと同時にセツナの腕を掴み──
「はっ!」
「きゃんっ」
オレのふかふかなベッドに向けて、セツナを一本背負いで軽々と投げ飛ばす。
犬の鳴き声のような悲鳴を上げ、綺麗な弧を描いて背中からベッドに着地する。
欠かさず反撃されぬよう、オレは素早く寝技へ移行する。
セツナの腕を掴み、まるでプロレスラーばりに慣れた手付きで腕肘十字固めをキメる。
「イタタタ!!タイム!!サクヤ!!ギブだって!!」
「いきなり襲い掛かってくるとはどういう魂胆だ?答えろセツナ」
「そ、それ以上はダメ!!分かった!!アタシが悪かったって!!」
「……まさか今がオレを倒すチャンスとか思ってないだろうな?」
「ギクッ」
図星だな、コイツ。
確かにアクマは日中、魔力が弱くなり、基本的に脆弱になるらしいが、オレの場合は少し違う。
元は男だから身体が女に変化した時に、規模も小さくなるので余分にはみ出るモノがある。
例えば、本来の筋力など。
それが規模の小さな器に凝縮されるので、男の時より女になった時の方が1.5倍ほど基礎の身体能力が高くなる。
つまり、今のオレは男のオレの1.5倍も強いというわけ。
アクマの防衛本能でそういう風になるわけだが、詳しくはオレもよく分からない。
ただし、1つ分かったことがある。
チョーカーをしていれば問題ないが、この状態だと魔力が不安定になりやすいため、迂闊に魔力を消費できず、最悪、アクマと遭遇しても攻撃手段がないので、腹を空かしたアクマにとって格好の餌になるということ。
逆を返せば、先程のセツナのように異端少女や祓魔師といった変わり者に命を狙われやすくなる。
例に倣っていくら殺そうとオレは死なないのだが、こればかりは面倒で困ってしまう。
あ、あと体質の関係で日中は肉体再生の速度が遅くなり、怪我などしても回復するのに時間がかかってしまう。
まぁ、それでも一般人から見たら物凄い早さで傷が治っているように見えるだろうな。
「べ、別にそんなつもりはない。アタシはロゼの話が信用できなかった。だから見に来たらほんとに女の子になってた」
「……悪いがこれが現実さ。認めたくないのは山々だけどね」
「分かった。咲哉の秘密はアタシの秘密でもある。だからちゃんと守る。その代わりにアタシの秘密も教えてやる。絶対にバラすなよ?これで五分五分だ」
「……セツナ?それを言うなら『お互い様』だろう」
「うるさい!しかも毎回、アタシの挙げ足を取るな!!この……っ」
腕から手を離し、ベッドに胡座を掻いて座るオレは再び呆れる。
腕肘十字固めから解放されたセツナも何か言おうとして
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