暁 〜小説投稿サイト〜
俺がアクマでいいっすか?
#2 いや、実は両性類っす。
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っさと食べるぞ!」

リーダーシップを取るのはいい。
俺はもう止めはしない。
つーか何で馴染んでるんだよ?
しかし、俺の座る席のちゃぶ台の上には、もりもりと皿に分けられた激辛麻婆豆腐がある。
……これを食えと?
絶対死にはしないが、これを食おうものなら、最多死亡数をさらに更新することになるだろう。
生きている者にとって不名誉すぎる偉業を成し遂げる羽目になる。
誰も真似できる人なんていない……だろうな。
ごくりと唾を呑む俺の右隣で、表情1つ変えずにパクパクと、蓮華で激辛麻婆豆腐を運ぶロゼ。
無表情ではあるが、どこか嬉しそうだ。
正直な話、味覚の細胞が生きていない限り、この麻婆豆腐は食えたものではない。
作った本人が言うのもあれだが。
いっそのこと、今すぐ自分の舌を引き千切ろうか?
待て、今は夜だ。
どのみち引き千切っても、体質の関係ですぐに再生しちまう。
……もうここまで来たら食うしかないか。
腹を括れ、俺。





「ぎぁああああ!!」





俺の座る席の左隣に座るセツナの断末魔の叫びが聞こえた。
たぶん、彼女の味覚はあと1週間、正常には戻らないだろう。
かつての自分がそうであったように。
心配するなセツナ。
短い間だったが、お前のことは忘れない。
金輪際、いや、もう二度と会うことは無いだろう。
俺は死ぬことができない孤高のアクマ。
なんせ黄泉の国へ行くことができないからな。
自分で作った麻婆豆腐に一切手を付けてない俺に、不思議そうに覗き込むロゼ。

『どうしたの?お兄ちゃん?』
「はぁうっ!?またテレパシー!?」
『食べないの?』
「え、あ、まぁ、なんかお腹空いてないし。良かったら食うか?」
『ダメ。ちゃんと食べてお兄ちゃん。食べないと添い寝してあげないよ!』

イタダキマスッ!!




「ぐふあっ!!!!!!!」

勢いよく口の中へ掻き込むが、あまりの辛さに大逆流。
まるで血を吐いたように、ちゃぶ台の上へ撒き散らす。
まずい。
手足が痙攣し、血の気が引き、意識が遠退いていく。
クソっ!!
せっかくのボーナスステージがっ!!
しきりに抗うも、身体は完全に沈黙し、視界が暗転した。








──意識が戻る頃には、もう既に朝になっていた。
あのあと、オレは死んだように気絶したらしい。
やれやれ、また地獄の日中かよ。
寝惚け眼を擦りながら茶の間にある鏡の前に立つオレ。
しかし、鏡に映る俺は先程のような男の姿ではなく──。
どう見ても中学生ぐらいの、女の子の姿になっていた。
着ていた服はブカブカで、スゴいだらしない。
実はオレことアクマは、日中は魔力が弱くなって乱れるため、身体自身が魔力を安定させるため
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