#2 いや、実は両性類っす。
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ぞ?」
「うるせー。身も心も既に死んでるよ」
「んじゃ咲哉ってゾンビなのか!?」
ゾンビとはまた違うな。
まずもって次元が。
ゾンビは生き返るのに時間が掛かるが、俺は死ぬ寸前にその場で魂の再生が始まり、数分経たずに完全に再生する。
例え身体の一部が元あった場所から分離しても、一度、砂になってすぐに再生する。
激痛を伴うは斬られた瞬間と、再生する瞬間だけ。
しかし、昼間は魔力が不安定になるため、再生する時間が非常に遅くなる。
まぁ、そんな感じか。
「とにかく腹が減ったぞ!飯をくれ咲哉!」
「分かった分かった。夜遅くに食うのもあれだから、軽食を作ってやる」
「何!?咲哉って料理できるのか!?」
「まあな。独り暮らししてるから料理ぐらい朝飯前だ」
「今は夜食前だぞ咲哉!!」
変なところで遠慮なく突っ込むなお前。
そう思った矢先、またスマホが振動する。
《麻婆豆腐、咲哉スペシャルの激辛で。今すぐ》
……はい。
大至急作ります。
って、聞こえてたの!?
ロゼは意外にも辛いもの好きらしく、この間、冗談半分で作った俺特製の激辛麻婆豆腐を無表情で平らげたからな。
あげくにお代わりだと。
むろん、俺はあまりの辛さにその場で轟沈したが。
……我ながらよく作れたよ、あんなに辛いの。
「咲哉ー!ぼさっとしてないで早く作れ!」
「いちいちうるせーな。今から作るから待ってろ」
「おう!!早くしろよな!!」
「さて、セツナは焼きうどん、ロゼは俺特製激辛麻婆豆腐っと」
「な、なんだ?俺特製激辛麻婆豆腐って?焼きうどんは止めた!アタシもそれにする!!」
『女々しくて』と書かれた金○ばりのカラープリントのエプロンを締めかけ、台所に立つ俺はその台詞を聞いて一時停止する。
い、いま何て言った?
あの伝説の激辛麻婆豆腐を食うだと?
正気か?セツナ?
念のため、事故が起きぬよう説得するか。
「なぁ、セツナ?焼きうどんの方にしておくことをおすすめするぞ?俺特製の麻婆豆腐は死ぬほど辛いからな?」
「死なない死なない。辛すぎて死んだ人なんて聞いたこと無いぞ!心配するな咲哉!不死鳥のセツナに不可能は無い!」
「不死鳥……か。ついでに言っとくが、命の保証はしないからな。自己責任で食えよ?」
「……そ、そんな脅しに怯むか!全部食ってやる!完食だかんな!セツナちゃんの勇姿を目ん玉抉り取ってよく見とけ!」
「勇姿もクソも目ん玉抉り取ったら何も見えないだろ……」
さすがに呆れ果てる俺。
どんだけ負けず嫌いなんだ?
あと、付け足しでどんだけバカなんだ?
食った本人の忠告を無視し、あの殺人麻婆豆腐に挑むなんて命知らずにもほどがあるだろ。
ふと、人の気配を感じて茶の間に目を向けると、ちゃぶ台の前に正座し
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