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環の理
鋼の錬金術師
人造人間2
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速さだったわね。



 「それよりもここはどこだ?」

 「グラトニーの腹の中よ」

 「腹の中ぁ?」

 「あそこにリザの車があるわ。そっちには廃屋があるわよ」

 「本当だ……だけど腹の中がこんなに広いなんてな」

 「相手は人造人間(ホムンクルス)よ?自分の常識では測っちゃいけないわ」

 「そうだな……あ!」



 エルリック兄は何かに気付いたかの様に浅い海の中を走る。



 「あった……」

 「何よそれ?」

 「アルの左腕だ。手だけだから多分こっちには来てないみたいだ」

 「そう」



 探さなくて済んだみたいね。取り敢えず土の上に立っていよう。



 「貴方もこっちに上がりなさい。体力を取られるわよ」

 「おう……なあ大佐?」

 「何よ?」

 「あんた前に誰を錬成したかって聞いたてきたよな?あんたも……開けたのか?」

 「……そういう事になってるみたいよ」



 パン!そこら辺に転がっている鉄製品を剣に変えてみせる。



 「掌錬成……!」

 「先に言っとくけど人体錬成をしたのは確かよ。でも、誰を錬成したかは覚えてないわ」

 「覚えてない?」

 「そこだけぽっかりと穴が開いてるの。通行料も何を払ったのかさえ覚えてない。大体は予想ついてるけど……」



 記憶、多分それが私の通行料。前世の記憶にある筈の親しい人の名前を全く覚えていない。何をしたかは覚えているけれど、誰としたかは覚えていない。皆で写った写真でも自分以外は顔が切り抜かれてる。



 「それよりもここがどこか分かったでしょ?」

 「え?」

 「私と貴方は一度来た事がある共通の場所といえば?」

 「真理の扉……!」

 「周りの景色から本物ではないんだろうけど……」



 本物より厄介だ。誰も出口を用意してくれない現実と真理の狭間。



 「どうすりゃいいんだよ……」

 「……!」

 「……どした?」

 「誰か来る……!」

 「あらら……誰かと思ったらお前達かよ」

 「エンヴィー!」



 やっぱり飲み込まれてたか。さて、私達の考察を本物の人造人間(ホムンクルス)に聞いてもらいましょうか。

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