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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第七話 ネウロイとの戦い
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、決して楽観視できる状況ではない。

「み、宮藤さんが……」
「分かりました。急いで基地まで運びます。ジェットストライカーのほうが速いです」

 言うが早いか和音は宮藤を抱きかかえ、手持ちのバルカンを腰の後ろにマウントすると、魔法力切れの迫ったペリーヌとリーネをも強引に抱き寄せる。ペリーヌに至っては抱きかかえるというよりもしがみつくという方が正しかったが、そんなことを気にする余裕などなかった。

「お、沖田さん!? いったいなにを……」
「少し揺れますよ。しっかり掴まっててくださいね、中尉」
「え? ええっ!?」

 途端、凄まじい加速がかかる。アフターバーナーを点火したのだ。
 生身であれば到底耐えられない音速の衝撃波も、今は和音のシールドによって守られている。

(これが、ジェットストライカーの力ですの……?)

 治癒魔法の使い手がいない以上、一刻も早く基地に帰還しなくてはならない。
 推力にモノを言わせた和音は、わずか数分でロマーニャ基地上空まで到達し、負傷した宮藤を気遣って揺れと衝撃を最大限に抑えながら着陸を成功させた。

「しっかりしてください、宮藤さん!!」
「目を開けなさい、宮藤芳佳! 勝手に死ぬなんて許しませんわよ!」
「おねがい、返事をして芳佳ちゃん!」

 ユニットから弾かれるようにして基地に降り立った和音は、しっかりと腕に宮藤を抱きかかえ、基地から駆け出してきた医師に託す。その横には、真っ青な顔をしたミーナや坂本らの姿もあった。

「うぅ……和音、ちゃん……?」
「気がついたんですね、宮藤さん!」

 担架に乗せて運ばれるその時、宮藤の口から呻き声が洩れた。
 弱々しくはあったものの、宮藤ははっきりと和音を見つめて笑顔を浮かべた。

「あはは……また助けてもらっちゃったね……あり、がと、う……」
「芳佳ちゃん!」
「宮藤さん!」

 それっきり再び意識を失う宮藤。
 基地の医療スタッフらが素早く担架を運んでゆく。

「急げ! まだ希望はある。何としても助けるんだ!」
「すぐに治療の用意を!」

 その姿を呆然としたまま見送った和音は、極度の緊張と恐怖から解放された反動からか、急速に体から力が抜けてゆくのを自覚した。先ほどまで体に満ちていた魔法力さえ抜け出ていくようだ。

「宮藤さん……無事で、良かった……」
「和音ちゃん!? しっかりして!」

 視界が反転し、そのまま崩れ落ちる和音。誰かに抱き留められる感触を感じながら、そのまま和音は意識を手放したのだった。


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