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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第七話 ネウロイとの戦い
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ルトが解除され、和音の手にJM61A-バルカンが握られる。
眼前には開け放たれた滑走路。火器、電装系、あらゆる箇所に異常はない。
「沖田和音、行きます――――っ!!!!」
轟雷の如き爆音を轟かせ加速するF-15Jは、瞬く間に滑走路を突破し空へと身を躍らせる。重力の縛りを嘲笑うかのように力強く上昇してゆくその様はどこまでも頼もしかった。
「頼んだぞ、沖田……」
「リーネさん、宮藤さんを連れて離脱して! ここはわたくしが!」
「でも、ペリーヌさんを置いていくなんて……!」
リーネとペリーヌは、意識を失った宮藤を護りながら戦線を離脱しようとしていた。しかし、宮藤を抱えるリーネは攻撃ができないばかりか機速も稼げず、さらにそれを護るペリーヌの負担はもはや限界に達しかけていた。
「くっ……トネール!!」
ペリーヌの隠し玉である固有魔法『トネール』
本人の魔法力を雷撃に変換し、ネウロイを攻撃できるそれも、疲弊しきった今では十分な威力を発揮できなかった。
(たとえわたくしが墜ちようとも、宮藤さんとリーネさんだけはやらせませんわ!)
必死にシールドを張ってビームをはじくペリーヌ。なんとか隙を見つけて離脱しようとするも、二機の同時攻撃はそれを許さぬ苛烈さがあった。
「もう……ダメ……」
シールドが見る間に薄くなり、ユニットのプロペラが切れかけの電灯のように明滅し出す。
魔法力の限界がすぐそこまで迫っている証拠だった。
(ここまで……ですの……?)
視界を覆い尽くす赤いビームがシールドを容赦なく削り落とす。
その猛攻の前に、ついにペリーヌは死を覚悟した。なけなしの勇気を振り絞り、たとえ自分が死んだとしても後ろの二人をやらせまいと、大きく腕を広げて立ちはだかる。
「ペリーヌさん!!」
リーネが絶叫し手を伸ばす。
もはや何もかもが手遅れに思えた、永遠にも似た一瞬。
しかし――
「…………?」
その瞬間≠ヘ、いつまでたってもやってこなかった。
かわって聞こえてきたのは、天を裂くような凄まじい排気音。
「ま、まさか!?」
恐る恐る目を開けたペリーヌは、己の予感が正しかったことを知る。
《クロステルマン中尉、リーネさん、宮藤さんを連れて離脱してください!》
「あ、貴女は基地に居たはずでは!? それにそのユニットは――」
《話はあとです! 援護します!》
音速で飛来するF-15J型。新たな脅威の出現に、ネウロイが散開して距離をとる。
猛然と加速してネウロイに挑みかかる和音の姿を、ペリーヌとリーネは呆然と眺めていた――
「見つけた! あれが、ネウロイ……!」
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