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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第七話 ネウロイとの戦い
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すればいいの……?)

 自分の無力がどうしようもなく悔しい。
 ウィッチとして戦う力を持ちながら、目の前で傷つく人を救えないなど――

「――――嫌だ」

 こんなところで、膝を抱えて泣いているなんて絶対に嫌だ。
 自分がウィッチになったのは何のためだ? 誰かを護れるからではなかったのか?
 だとするなら今自分がやるべきことは何だ?

(でも……だけど……)

 ドアノブに掛けた手が止まる。
 本来なら、和音はこの時代に存在しない異分子だ。イレギュラーだ。
ここで手を出せば、ひょっとしたら未来が変わってしまうかもしれない。
 傷つかなくてもいい人が傷ついてしまうのかもしれない。
 たとえ何があろうとも、けっして過去に干渉してはいけないのかもしれない。

(どうしよう……どうすればいいの……)

 ――助けに行きたい。しかし、助けに行ってはいけないのかもしれない。
 その葛藤が、和音の心を締めあげる。

(こんな時、お祖母ちゃんだったらどうしただろう……)

 優しく暖かかった祖母。同じようにウィッチとして飛んだ祖母なら、どうしただろうか?
 我が身可愛さに他人を見捨てだろうか? 目の前で苦しむ人を見捨てただろうか?

(……ううん。お祖母ちゃんなら、きっとそんなことはしなかった)

 自分は誇り高い扶桑のウィッチだ。目の前で苦しむ人を見捨てるような人間に、ウィッチでいる資格などない。
和音はドアを蹴破るような勢いで開け放つと、弾丸のような勢いで廊下を駆けてゆく。転げ落ちるように階段を降りると、そのままの勢いで格納庫へと飛び込んだ。

「何をしている、沖田! 自室で待機していろと宮藤から――」
「申し訳ありません、坂本少佐。命令違反をお許しください!!」
「なんだと!?」

 無線機を握る坂本の制止を振り切って、和音は自らの愛機――F-15Jに飛びつく。
 両足をユニットに突っ込み、魔法力を流入させる。オオワシの翼と尾羽が顕れ、格納庫を魔方陣の淡い燐光が照らし出す。

「自室禁錮でも始末書でも営倉でもなんでもします!! だから、行かせてください!!」
「沖田、お前は……」

 だがしかし、その先を坂本が言うことはなかった。
 何かを悟ったように小さく笑った坂本は、呆れたようにかぶりを振ると作業員たちに告げた。

「……まったく、この大馬鹿者め。――格納庫正面の扉を開けろっ!! 沖田が出るぞ! 総員、ジェットストライカーの余波に備えて退避!」

 応! と頼もしい声で整備班らの兵士らが答え、正面の大扉が開いてゆく。
 魔法力を得た魔導ターボファンエンジンが唸りをあげ、その暴力を解き放たんと身を震わせる。

「行ってこい、沖田!」
「はい!」

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