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少女1人>リリカルマジカル
第三十四話 少年期P
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で責任は持ちます。それに初めてってわけではないですから」

 なんせ俺は盗撮という立派な行為をしていたからな。母さんたちを助けるために、上層部や関係者を無断で撮り続けていたんだ。抵抗だってあったけど、俺のちっぽけな脳みそじゃ他に思いつかなかった。ならやるしかない。何があっても、みんなを救いたかったんだから。

「綺麗ごとばかりで生きていくなんてできない。必要だから犯すことに俺はとやかくいうつもりもない」
「それは必要なら犯罪を犯してもいいということか?」
「わからないです。けどこれだけは言えます」

 あの時の俺の判断が間違っているとは思っていない。上層部のやつらに一切同情もしていない。それでも、これだけは言える。

「やったことに後悔をしてはならない。そして、最悪なことをした自覚は決して忘れてはいけない」

 必要だから―――この言葉を当たり前にはしたくないし、絶対にしてほしくない。誰かを救うために犯し続ければ、必ずいつかすべて零れ落ちる。

 副官さんは静かに腕を組み、沈黙する。それは数秒だったかもしれないし、数分ぐらい経っていたのかもしれない。双方にとって長く、遠い時間。暑くて眩しかった日差しや、どこかで鳴いていたセミの鳴き声すら忘れてしまうようなそんな時間だった。

 そして、副官さんは組んでいた腕を解いた。その顔には先ほどまでの不機嫌さはなく、落ち着いた表情だった。鷹のように鋭い目は凛と前を向き、しっかりとうなずいてみせた。


「……やろう」
「……はい」

 これ以上言葉はいらなかった。俺は副官さんに魔導師の派遣をお願いする。あと数刻で犯罪者となる男を捕らえてもらうために。俺は下準備のために転移で一時離れ、副官さんには見張りを続けてもらう。そして俺が戻ってきたことで作戦を開始した。

 副官さんの的確な指示と見通す目、そして俺のレアスキルが組み合わさる時、奇跡は起きたのだった。



******



『えー、それでは次のニュースです。今日のお昼頃にクラナガンにて下着泥棒が捕まりました。犯人はフードをかぶった大柄な男で、通報を受けて現場に駆け付けた局員に取り押さえられたそうです。最初男は暴れていたようですが、それによって服の隙間から出るわ出るわ下着の山。彼の持っていたカバンにも余すことなく下着が詰め込まれていたそうです。途端に男は突如暴れるのをやめ、呆然と下着を見つめていましたが、急に「俺はやっていない!」と錯乱し始めました。「さすがに無理がある」とその場にいた局員の誰もが口を揃えたところ、突如泣き出したとのことで―――』


「……俺は一体あの時何をしていたんだろう。相手は犯罪者なのに、この胸に渦巻く罪悪感はなんだ」
「きっとこれが罪の意識なんですよ。……あと同情」

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