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沖縄料理
第六章
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「いいだろ」
「美味いね、どれも」
「そうだろ、沖縄料理は美味いんだよ」
「本土とはまた違う味だよな」
「おあ兄さん何処から来たんだい?」
「横須賀だよ、そこから来たんだよ」
「ああ、海自さんの」
 今では自衛隊をこう呼んでいる、陸自さんや空自さんとも呼ぶ。
「あの町だね」
「そこから来たんだけれどさ」
「海自さんも最近頑張ってるねえ、頼もしいよ」
 運動を離れて沖縄料理にのめり込んでからだ、彼の考えはかなり変わった。
 汗水流して料理を作り学ぶ中で自分が作ったものを食べてくれる沖縄の自衛官達の笑顔を見てそれで考えが変わったのだ。
 今ではだ、こう言うのだ。
「自衛隊の人達がしっかりしてるとね」
「そうだよな」
「アメちゃんも必要だけれどな」
 今では考えがすっかり変わっている。
「それでもな」
「第一は自衛隊か」
「そう思うよ、昔の海軍になって欲しいな」
「おじさん自衛隊好きなんだね」
「昔は大嫌いだったんだよ」
 かつてはそうだったtこともだ、良馬は客に笑って話した。
「ここに来たのもアメちゃんの基地を潰すつもりだったしな」
「物騒だな、おい」
「けれど沖縄の料理を知ってわかったんだよ」
「料理からかい」
「そうだよ、そんな活動より美味い飯を食えばずっと楽しいだろ」
「腹も膨れるしな」
 まず食べてからだ、全ては。
「そこから考えるとか」
「必死に料理食って作って汗水流してるとわかってきたんだよ」
「わかった?」
「ああ、それで作ってくれたものを自衛隊の人が食ってくれて笑顔になってるのも見てな」
 それでだというのだ。
「よくわかったんだよ」
「まあなあ、自衛隊の人達とかって紳士だからな」
「そういうのもわかったんだよ」
「成程なあ」
「運動するより美味いもの食ってそれを作る為に汗水流して食ってくれる人の笑顔を見ることだよ」
「それで運動止めたのか」
「そうだよ」
 その通りだとだ、良馬は自分で言った。
「そうしたことがわかったよ」
「おじさんにとって沖縄料理って凄いんだな」
「凄いよ、こんな美味いものないだろ」
 こうまで言う。
「じゃあどんどん食ってくれるか」
「ああ、安くしてくれよ」
「それは無理だけれどな」
「運動家だったわりに金には五月蝿いんだな」
「今はこれで食ってるからな」
 良馬は客に笑ってこう返した、そして。
 その客に出すそーきそばを作りながらだ、こうも言った。
「変な運動やるより美味いもの食った方がずっといいよ」
「それはその通りだな」
「じゃあこのそーきそばも楽しんでくれよ」
「それ滅茶苦茶美味しいらしいな」
「特に俺が作ってるからな」
「言うねえ」
「言うだけのものは楽しませてやるよ」
「よし、じゃあな」

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