第33話 主人公薬味は、主人公魔人と遭うようです
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それに、勇気が本当の魔法って言ったのはあんたでしょ?
自分の力でなんとかするわよ。ホラ、あんたあっちでしょ。じゃね!」
「あ、はい!頑張ってください!!」
目をなんや輝かせて、ネギ君は教員玄関の方に行った。
「なぁなぁ、なんのはなし〜?」
「こ、木乃香には関係ないわよ!ホラ、走んないと間に合わないわよ!!」
「ホンマやーー!愁磨はんにどやされてまうー!」
折角頑張って褒めてもらっとるのに、こんな事で評価は下げられへん!
ダダダダダダダダダダダ!! ガラガラガラ!
「ッセーーーーフ!!」
「あら、明日菜さん、木乃香さん。二人揃ってギリギリとは珍しいですわね。」
「おはよーさん、いいんちょー。愁磨は…せんせは?」
「ええ、なんでも急な転校生が居るとかで遅れているそうですわ。」
「へぇ、って事は一緒のクラスなんだ。ネギもそうだけど、
こんな時期に転校してくるなんて珍しいわよねー。」
複雑な家庭事情、とか言う奴なんやろか?
・・・ウチ、人の事言えるような普通の家に住んで無いんやけどな。
「……お前ら、早く座れ………。」
「「「うっひゃぁ!?」」」
「愁磨先生、何時の間に……と言うか、お顔が優れない様ですが……。」
「なんでもない、気にするな。――あー、知ってる者も居るようだが、
このクラスに新しい仲間が増える事になった。朱里君、入って来なさい。」
幽鬼みたいな愁磨さんが言うと、廊下にいた子が入って来た。
「初めまして!ボクはもみじ・A・朱里って言います!
趣味は星座観察、特技は人の願いを叶える事、得意科目は天文学と幾何学!」
薔薇みたいな真っ赤なポニ―テール、炎みたいな紅い目のカワエエ顔。
綺麗な真珠色の肌で、元気な印象やのに、淫靡な雰囲気を持った子。そして――
「好きなモノは愁磨です!よろしく!!」
ベキッ! ミシッッ ジャコン チャキッ
なんでか男子の上の制服を着て、中等部のスカートを履いたその子の一言は、
4人の殺る気を最高まで引き上げてもうたみたい。
Side out
Side ネギ
「さて、全員質問は無いな?無いよな………?ハァ……。
アs…朱里、席はエヴァンジェリンの隣だ。」
「ハーーーイ!!」
元気な返事をして走って行くもみじさんと違って、
愁磨さんは疲れているような、怒っているような・・・すごく、なんていうか・・・。
「しゅ、愁磨さ――「『先生』、だ。」しゅ、愁磨先生……あの、授業……。」
「…ああ、そう言えばそうだったね。
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