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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第13話
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ちらに持ってきて差し上げます」
ハルカは立膝で、賢者に一礼をした。
「頼んだぞ」
「はい。……ところで、後ろの緑の渦の空間は一体なんでしょう?今の僕には関係ないかもしれませんが」
「今はな。後でお前にも関係するだろう。それは、今はいえないことじゃ。すまない。“証”を手に入れれば、教えてやろう」
「……解りました。行って来ます」
賢者の言うことが、ハルカにはなんとなく解った。
“証”それこそ3つの神器の最後の一つ。勇者ロトがお守りとして使っていたものといわれているアイテム。何処にあるかは分からないが。
(恐らく、メルキド方面だな。後で行く、問題ない)

雨の祠を後にしたハルカは、何気なく叫んだ。
「ルーラ!!」
すると、今までになかった感触がハルカの体を駆け巡る。そして空を飛び、あっという間にガライの街の近くに到着した。
(ルーラの完成だ!)
ハルカは小さく拳を握り締めた。喜びの表現である。
すると、ピピピと小鳥が鳴くような音がした。“王女の愛”だ。
「……ローラ姫様?僕は元気にやってますよ」
「ああ、それならよかったですわ。しばらく連絡が来ないものですから。あ、私、しつこいですか?」
ローラ姫の最後の言葉は少し声が小さかった。
「いえ。寂しかったのですね?そんなことはありません。ただ、戦いに集中したり、お取り込み中だったりすることもありますから、気をつけてくださいね」
「はい。気をつけますわ。あ、そういえばペンダントの宝石が赤く光ったり青く光ったりするのは目安になるのでしょうね?」
「そうでしょう。青がOKのサインで、赤は話しかけてはいけない、のサインかもしれません。僕も気をつけてみますね」
「私もですわ。ハルカ様、お慕いしております」
「僕も、貴女を思っております」
ハルカとローラ姫はほぼ同時に“王女の愛”に口付けをした。
会話を終えると、確かに宝石の色が赤く光っていた。しばらくすると青く光る。
「さて、ガライの街に入りますか」
王女の愛を大事に魔法の道具袋にしまうと、ガライの街の明かりの中へ入っていった。
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