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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第13話
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(……ロト様?)
今度はそう思うようになった。しかし、勇者ロトは過去の人。本当はどんな姿でどんな声かは誰にも分からない。
けれど、ハルカの敵ではない、味方だということだけは分かる。
いつか、本当のことが分かるかもしれない。そう、ハルカは思った。

ラダトーム城下町で再び、食糧等を買いに行く。
そして、イアンの元を訪れる。
旅立ち前の挨拶なので、玄関での会話である。
「ハルカ、以前より逞しくなったな。旅立ったあのときよりも筋肉もついたし、がっしりしてきた気がする」
「そうですか?」
「ああ。たった一人で戦い抜いた勇敢な戦士だ。そして、ローラ姫を救出したと言う名誉もついた。お前は、もう、若いときの俺を超えた」
イアンは少し寂しそうな顔をした。いつかハルカがアレフガルドを離れるだろうと言う予測を立てているのであろう。
「そんな、僕はまだまだです。竜王を倒さなければならないのですから」
「ああ。お前なら出来る。勇者ハルカ、頑張れよ」
「……はい!」
サユリが笑顔で保存食を持ってきた。
「また、ここへいらっしゃいね。いつでも待ってますから」
「ハルカさん、皆のためにも、ローラ姫のためにも、竜王を倒してね!」
「サユリさん、エリカちゃん、ありがとう。僕はこれで、また来ますから!」
「おう!ハルカ!行って来いよ!」
「はい!行ってきます!」
ハルカは赤い(裏地は白の)マントを翻し、イアンたちに手を振りながら走っていった。

行き先は決まっていた。最初にマイラに行く途中で、謎の偽世界樹の葉売りの怪しい男の所である。今なら、通れるかもしれないと判断したのである。
歩いている途中、魔物は以前よりハルカに寄り付かなくなった。怖気づいて逃げていく者もいた。ハルカが強くなった証拠である。
おかげで、以前は数日かかっていたところを、2日で例の場所にたどり着いたのであった。
あの男はまだいた。
姿も全く変わっていない。
「おお、お前か」
男は胡散臭い笑顔で出迎えた。
「あの、そこを通してもらえませんか?今の僕なら、通ってもよろしいのでしょう?」
「う〜ん、そうだ、あれは持っているか?」
「あれ?」
「太陽のような輝く石。特別な者しか持つことは不可能な石だ」
「太陽の石ですか?」
ハルカは少し警戒しながら男に太陽の石を見せる。男は肯いた。
「通ってよい」
「ちょっと待ってくださいよ。貴方何者ですか?何故僕を試すのですか?何故太陽の石のことをご存知で?」
警戒心は解かれていない。男が何者か、解っていないのだ。
「……知りたいか?」
「当たり前でしょう」
「そうか。俺はもう死んでるんだ」
「……はあ!?」
訳の分からないことをいう男である。ハルカは怪訝な顔で男を見る。
「俺はアリアハンから来た元商人だ。一
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