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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第13話
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着いたら、何処かで処分しておくのだ」
王はハルカに何回も畳んだ紙を渡した。
ハルカは静かに頷きながら受け取った。

そして書かれた通り通りに進むと、外に出た。そして、秘密の入り口を発見したのだ!
ハルカは慎重に扉を開け、ゆっくりと階段を下りていった。
着いた場所は少し薄暗い部屋。一人の老人が立っていた。部屋は置くに長く続いていた。薄汚れた老人には似合わない、石造りと青い宝石で飾られた部屋だった。奥には台座があり、そこには豪華な装飾のついた箱があった。
「よく来た。勇者ハルカよ」
老人はゆっくりした口調で話す。
「……何故僕の名を」
「そなたが来るのを待っていたのじゃ。さあ、奥にある箱を開けて、太陽の石を受け取るがよい」
老人はハルカの話を聞いていない。耳が遠いのか?と思っていたが……。
ハルカは戸惑いながら奥の箱を開けた。中には美しい太陽の石があった。手に取るとほんのりと温かい。ハルカは思わず、「温かいですね」と呟いてしまった。
「おお、そう感じるか。それはロト一族に関係の無いものにとってはとても熱くて触れないものなのだ。やはり勇者ハルカ、そなたはロトの子孫なのだな」
その老人はすぐにハルカをロトの子孫を見抜いた。老人曰く、顔を見ただけで解った、とのことだ。
「……そういわれていますが」
ハルカはそんな老人に違和感を感じていた。何というか、彼は……人なのだろうか?と思うような雰囲気。しかし、老人に訊くわけにもいかず、黙っていた。
「そうか。よし、わしの役目も終わった。また、眠りにつくとしようか」
「……え?」
老人はゆっくりと飾られた部屋に併設された小さな扉の方へ歩いていき、ドアを開けて入ってまた閉めた。
「……」
本当はいけないのだろうが、ハルカは老人のことが気になって仕方が無かった。しばらくしてから老人の入った小さな部屋に入った。
「あの、すいません」
「勇者ハルカか……そなたは昔わしに太陽の石を預けて来た勇者ロトの面影がある。彼も、そなたも、穏やかで、強い男だった……」
ハルカは耳を疑った。この老人は勇者ロトの顔を見たというのだろうか?
勇者ロトの時代はハルカの時代から約400年も前の話である。
(このじいさん、何者なんだ?まさか本当に)
話しかけようとしたとたん、老人はいつの間にか眠ってしまった。
(……知らない方がいいのかもしれないな。さて、僕はもうここに用は無い。出かけなければ。そう、これはロト様が言っていた3つの神器の一つ……)
ハルカは老人に小声でお礼を言うと、静かにその場を後にした。
受け取った秘密の場所の紙はこっそりとギラで処分しておいた。

――ハルカ、太陽の石を手に入れたんだね。次は、雨雲の杖だよ――
久しぶりに、謎の男の声を聞いた。ロトの石版を読んだあの時と同じ声。

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