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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-3 第12話
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参照)もいた。
マーラは悔しがる様子は全く無く、むしろ二人を祝福しているかのように笑顔で手を振っていた。
(あの人、意外と潔いな)
突然予告も無いのに、人々は準備が出来ていたように紙テープを投げたり、手を叩いたりして、お祭りが行われたような雰囲気に満ち溢れていた。
ハルカとローラ姫は照れながら手を振った。
「なんだか恥ずかしいですわね」
「ええ。でも、それ程貴女は心配されていたんですよ。だから皆喜んでいるのです。貴女は、お姫様なんですから」
「ハルカ様……本当にありがとうございます……」
「どういたしまして」
ローラ姫は何度もハルカにお礼を言った。その度にハルカは応えた。
二人は一時の幸せを味わっていたのだ。
他に二人は、いろいろな人と会話を交わした。

大通りも終盤に差し掛かった頃である。
「おう、ハルカ!」
ひときわ大きな声が聞こえた。イアンだ。妻のサユリと娘のエリカもいる。
「イアンさん!」
ハルカはローラ姫を抱えながらイアン達の方へ駆け寄った。
「さすがだぜ!素晴らしいお土産もって帰ってきたな!」
「ハルカさん、凄いです!」
「本当!ローラ姫も美しいです!」
「まあ、ありがとうございます…」
エリカの声援にローラ姫は顔を赤らめる。
イアンはニヤニヤしながらハルカに顔を近づけた。
「ハルカ、将来はローラ姫と結婚するのか?」
「……!?」
ハルカは顔を真っ赤にした。ローラ姫にも聞こえていたらしく、同じく赤面した。
(確かに僕達は……両想いの恋人……だけどさ!)
「あらダメよイアン。恥ずかしがってるじゃない」
「おっと。やりすぎたかな」
イアンの顔つき、あまり反省の色が見られない。もっとも、ハルカ達は否定もしなかったのだが。
「あ、あの、では僕達、ラダトーム城へ向かいます!」
「おう!」
ハルカとローラ姫は赤い顔のまま、ラダトーム城へと向かった。
その時の足は……心なしか、少し速く見えたとサユリは話す。

ラダトーム城。
ローラ姫の姿を見た瞬間、城の人々、兵士、他のラダトーム戦士団の歓声が響いた。
次々と人が集まってくる。「落ち着いて!」と兵士が必死に静止している様子も伺える。
そして、ローラ姫を抱えているハルカを称える声も聞こえていた。
「ラダトームに希望の光が戻った!」
「姫君を救った勇者ハルカに拍手を!」
「ああ、良かったわ……生きていたのね!」
「ねえお母さん、あのお兄ちゃん、あのお姫様と結婚するのかな」
「こら、まだ分からないでしょ。可能性はかなりあるけど」
様々な声が飛び交う。あの親子のような会話も見られる。
城の中は拍手と歓声で響いていた。
まだ、竜王軍の脅威への恐怖は失われていない。しかし、ローラ姫の帰還は城の者にとっては喜ぶべき明るいニュースなの
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