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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-3 第11話
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。どういたしまして」
「ハルカ様……幸せです」
「僕もです」
「温泉も初めて入りました。本当に気持ちいいですね」
「そうでしょう」
2人は幾つか穏やかな会話を交わした後、着替えてから、宿屋へと戻った。

宿屋の部屋。
まだいつもの鎧とドレス姿のハルカとローラ姫である。
しばらくの沈黙(気まずくは無い。お互いドキドキしている)の後、ローラ姫が口を開いた。
「ハルカ様、そろそろラダトーム城に戻るのですか?」
「ええ。宿屋で寝るのはおそらくこれで最後かと」
「……ハルカ様!」
思わずローラ姫はハルカに抱きつく。
「もっとハルカ様と一緒にいたい!……でもいけないなのは分かっています。私はホイミと威力の弱いバギしか使えません。ハルカ様のように戦えないのです。……ハルカ様は竜王軍を倒さなければならないのですから」
「ええ。僕も貴女ともっと一緒にいたかったですよ。でも、竜王軍を倒す為にまた僕が一人旅に出ても、僕は貴女のこと、想っています」
「ハルカ様……」
ハルカはローラ姫を抱き寄せる。
「僕は、貴女のことが大好きです」
「……私もですわ!」
とうとう、我慢できなくなったのだ。心に秘めていた気持ちを。お互い。
そして、二人は、そっと、口付けを交わしたのだった……。

そしてその晩も、同じベッドで手を握り合い、眠りに付いたのであった。

翌朝、今度はマイラの宿屋の主人に
「昨夜はお楽しみでしたね」
と言われ、赤面する勇者ハルカとローラ姫の姿があった……。
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