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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-3 第11話
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ーラは一気に顔を赤くした。
「え……あ…………その……僕達は……」
「……」
ローラ姫はハルカの胸に顔をうずめるようにして俯いた。セリアは楽しそうに笑い、
「おやおや、否定はしないのかい。若いっていいねえ」
と言った。
「セリアさん……」
クレアは隣で恥ずかしそうに苦笑いをした。
「おっと、今日は宿屋で泊まるのかい?」セリアは一呼吸おいて落ち着きを取り戻すと、そう言った。
「ええ、まあ。温泉にも入る予定です」
「そうかい、じゃ、楽しんでおいてよ!」
「ローラ姫もきっとマイラの温泉、気に入ると思いますよ」
「はい、入る予定ですわ」
「では、突然話しかけてきてすいませんでした。ハルカさん、ローラ姫、旅のご無事を祈ってます!」
クレアはハルカ達に頭を下げると、セリアと共に街中へ去っていった。
「ハルカ様、なんだかドキドキしてます」
ローラ姫はセリアの言葉が頭に残っているようだった。ハルカも照れ笑いをして頷いた。

「ハルカ様、何をしていらっしゃるの?」
ハルカは温泉施設の塀の近くの隅を鋭い石で掘っていた。
「探しものですよ……あった!」
古びた宝箱を開けると、そこには笛があった。美しい笛だ。
「妖精の笛ですよ。不思議な能力を持つ笛です」
「素敵な笛ですわね。旅に役立つのですね」
「メルキドのゴーレムを眠らせる為、とリムルダールに住む人が言ってました。妖精の笛は勇者ロトがルビスの呪いを解く為に解いた笛と聞きました。ただ、詳しいことは分からないんですが、聖なる者は目を覚まし、悪なる者は眠りにつくという話は僕も聞いたことがあります」
「ハルカ様なら使いこなせるのですね!」
「ええ。そうですね。さて。温泉に入りましょうか」
「はい!」

2人が温泉に入る頃にはすっかり夜になっていた。
温泉は混浴である。しかし、抵抗を持つ人の為に、水着を貸し出している。ハルカもローラ姫も、水着に着替え、温泉に入る。
「すいませんハルカ様、あまり派手な水着でなくて」
「いえ、お似合いで素敵ですよ」
「ハルカ様こそ」
ローラ姫はフリルの付いた清楚なワンピース水着、ハルカは青色のハーフパンツ型水着を着用していた。ハルカの上半身は傷だらけの筋肉で引き締まった体(細マッチョ寄り、だろう)で、ローラ姫は言葉を発しながらドキドキしていた。
他に人はいなかった。……いや、呼び込みの若い女がこっそり覗いてはいたが。ハルカが問うと、女は「監視よ」と誤魔化していた。
「ハルカ様、本当に、ありがとうございます。本当に、ありがとうございます。何度もお礼を言いますが…」
ローラ姫は自分がハルカによって助け出された事を思い出す。傷だらけの体、高い運動能力。そして、凛々しい顔と自分に見せた優しい笑顔。また、自然とお礼が言いたくなったのだ。
「いえ
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