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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幻想御手
Trick19_“轢き潰す”ことは決定だな
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「でも、“轢き潰す”ことは決定だな」

自分の背中に隠し持っている“ケースの中身”を思い出して呟いた。



**************************************


風紀委員支部に戻ってきた白井と御坂はさっそく書庫(バンク)から脳波の
検索を開始した。

ちなみにPCの操作は固法がしている。

「特定の脳波パターンがはっきりしているなら、それが犯人の脳波である可能性が
 高いわね」

「でも固法先輩、書庫(バンク)にデータがなかったらどうします?」

「大丈夫ですわ。学生はもちろん、病院の受診や職業適性テストを受けた大人の
 データも保管されてますの。心配には及びませんわお姉様」

「出たわよ! 一致率99%!」

「だれ(ですの)!?」


画面に写っていた人物


  『木山 春生』


写真と名前、両方とも自分たちの知っている木山と同じ。

顔が似ているわけでも同姓同名でもない。

間違いなくあの木山 春生だ。

そして、今、初春が会いに行っている人物でもあった。


「「! 初春(さん)が危ない!」」

白井は急いで携帯電話を操作した。

「初春さんがどうかしたの?」

一人だけ状況がわからない固法が質問した。

「さっき、その木山先生のところに行くって言って」

「なんですって!?」

「だめですわ、繋がらないですの!」

「白井さん! 警備員(アンチスキル)に連絡! 木山春生の身柄確保!
 ただし、人質の可能性あり!」

「はい!」

白井は再び携帯電話を操作した。




数分後、警備員からの連絡が来た。

木山の研究施設に行ったが、木山と初春はいなかった。

すでに移動した後だったのだろう。初春が人質にされた可能性が高くなる。

御坂はじっとしていられず

「固法先輩! 学園都市内のカメラから木山の足取りを掴めませんか?」

「たぶん、できると思うけど・・」

「まさかお姉様! 木山を追いかけるつもりですの!?
 お姉様は一般人です! お姉様が行くくらいなら私が行」

「そんな体で動こうっての?」

御坂は言葉を遮って白井の肩に“軽く”手を置いた。

「うっぐ!!」

白井は顔を歪ませて痛さに耐えている。

ここ数日、幻想御手を持つスキルアウトを相手に戦闘を繰り返していた。

昨日もトリックと呼ばれていた偏光能力者と戦って肋骨を痛めている。

「お姉様、気付いて・・」

「当たり前でしょ。あんたは私の後輩なんだから、こんなときぐらいお姉様に
 頼んなさい」

御坂は笑顔で、頼りがいのある笑顔をして部屋を出て行った。


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