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GGO編ーファントム・バレット編ー
54.外の世界
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もの、魔の一文字がついたスキルはとれねえ、取っちゃなんねぇ!」

「決意はいいけど、最悪でもクラインは魔法を避けるくらいはしようよ」

「うるせぇ!レイナは、BFO上がりだからよっ!」

クライン、リズさん、レイナさんの掛け合いに苦笑しつつ、アスナさんが右手を伸ばし、横たわるペイルライダーの画面を拡大する。

麻痺して転倒してからすでに十秒以上経つのに、フレームの中に他の誰も入ってこない。

ばさっ。

突然の音に六人が同時にぴくりと体を動かす。画面の左から、いきなり黒い布地がフレームインしてき、徐々に引き、姿を現す。

「......ゴースト......?」

誰が言ってかわからないがその姿は、ゴーストそのもののような姿をしている。ボロボロぼほつれたダークグレーのマント。顔まで隠れるフードからは、赤い二つの眼。

ボロマントはやけに大きな黒い銃を右肩にかけ、右手をボロマントの中に差し込むと、黒いピストルを一丁取り出した。

「......ショボくねぇ?」

クラインが、部屋の端で声を上げながら無精ひげをこする。

「どう見ても、肩のでけぇライフルのほうがATK上っぺぇよな。あっちで撃ちゃいいのに」

「弾代が高い、とかかなぁ?ALOでも、大魔法は高い触媒いっぱい使うし」

ボロマントは、黒いピストルの引き金を引かず、左手を持ち上げると、人差し指と中指の先で、額、胸、左肩、右肩の順に素早く触れる。

そのゼスチャーは、《十字を切る》仕草だ。

ボロマントは十字を切り終えた左手をピストルに握り添え、右足を引き、半身の姿勢で引き金を.......

「あっ......!?」

突然、全員の口から驚きの声がでる。

ボロマントが、いきなり体を大きく後ろに仰け反らせたのだ。すると、フレーム外から巨大なオレンジの光弾がさっきまでアバターがいた心臓を貫いて画面外へと消える。

多分、ずっと遠くから、何者かがボロマントを狙い撃ったのだろう。あの角度、あの速度で飛んできた遠距離攻撃を避けるとは相当な技術だ。

ボロマントは、ピストルを再び持ち上げ、今度こそ、地面で麻痺するプレイヤーに向け引き金を引いた。
発射された銃弾がペイルライダーの胸の中央に命中するが、HPをそれほど削ったようには見えない。

予想通り、ペイルライダーは、ようやく麻痺から回復したアバターが右手の大きな銃をボロマントの胸に突き付けた。

「うわ、大逆転......」

リズさんがそう口走る。

だが。

轟音も、閃光も、引き金が落ちる音さえも、耳に届くことなく、ペイルライダーの手から銃が滑り落ち、足元に転がる。続けて、持ち主も地面に倒れる。

「な........何.......?」

左手に
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