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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十二話
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したそうだな」
「すいません兄貴……まさかあんなことになるなんて想像もしていませんでしたんで……」
「フフフッ……大丈夫だ、問題ない。気にするな」
「じ、じゃあ……」

 それを聞いて救われたと思ったのか安堵する男だが、それに続くロドスシルトの言葉に顔を青白くする。

「最初から貴様らに期待など全くしていなかったからな。ただまぁ、せめて払った金に見合う働きはするだろうと思っていただけだ」
「そんな……」

 金の話が出て気落ちしているところをさらに畳み掛ける。

「それにこれを閣下が聞いたらどう思われるかな?」
「な……」
「残念だが、貴様らにやるチャンスはもうない。既に我々は今回のここでの任務も終えつつある。金をもらいつつ仕事は達成できないでは、中途半端に情報を持っている以上私としてもこのまま生かしておくわけにはいかんのでな」

 冷徹に、機械的に殺すと明確な殺意を向けられた青年は震える。そこにあるのは怒りも悲しみも憎しみもない、ただ純然たる殺意。遠まわしとはいえ、ただ殺すとだけ言い放ったに等しいのだ。それを聞いた青年はすぐさま土下座をして、涙と汗で濡れた顔を泥だらけにしつつも頼み込む。

「お願いします!もう一回、もう一回チャンスをください!」
「君たちには残念だが、私たちにはもう時間がないのだ。恨むなら一度で決め切れなかった自らの無能さを恨め。私とて、この国の若い命を散らすのはいささか不本意ではあるがね」

 しかし、現実は非情であった。そういってロドスシルトは、特殊なデザインをした拳銃型のデバイスを取り出すと、彼に向ける。

「……さらばだ。名もなき若人達よ」
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

 その場に、数名の断末魔の叫びが轟く。しかしそれを聞いたのはロドスシルト一人で、その場所には彼らがいた証のようなものは布切れはおろか糸くず一つ残されていなかった。完全に消滅したようにも見えるが、彼らの体はどこへ行ったのか。

「閣下……我等が悲願はまだ先です。このようなところで御無理をなさらぬよう……」

 月明かりに頭を垂れる彼のその姿はまるで、整った見た目も相まって月からの使者を思わせるものがあった。

「あなたが倒れることは、我等が悲願は永久に叶わないことを意味するのですから……不死者と呼ばれる我等であっても、いやだからこそ、ベルカによる滅びの運命など認めてはならないのです」

 ロドスシルトはそうつぶやくと、その場から一瞬で転移して見せた。



 ビスカイトは、フレディの一撃を真正面から剣で受け、弾き飛ばしていた。しかしそれにほとんど魔力をもっていかれたのか、息を整えるのに時間がかかっており、立つのがやっとと言ったところ
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