第30話 一行は麻帆良に入るようです
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促し、入ってきたのは―――
「ありがとうございます、しずな先生。お礼に、今度食事でも如何ですか?」
「ウフフ、お気持ちだけ頂いておきますわ。」
「ずるいわ、シュウ。私もお食事したいのに。と言う訳でしずなさん。如何かしら?」
「え…あ、あの……。」
・・・・発音から見ると、恐らく男性じゃろう。
白髪の、軽そうにも紳士的にも(何れにせよ真剣な)見える・・・男性。
黒髪黒目の、しかし日本的では無くヨーロッパ的な顔立ちの、
不思議な雰囲気の女性。
「愁磨……。しずな殿が困っておるではないか。」
「ふむ…、これは失礼しました。ああ、皆で行けば問題無いじゃないか。」
「良いわね、名案。アリアはどうかしら?」
「・・・・・わたしは、いっしょでいいよ。」
続いて入ってきたのは、プラチナブロンドの女性(オッドアイとは珍しいのう。)
銀髪の無表情な少女・・・この子が生徒じゃろう。
・・・・この家族、仲が良いと言うか・・・。
しずな君が狼狽えておる所など初めて見たぞい。
「あ、あの、私は……。」
「・・・・・・おねーさん、いや?」
アリアと呼ばれた少女が、しずな君の上着の裾を引っ張りながら上目遣いで・・・。
こ、これには流石のしずな君でも――
「……今度、ご一緒させていただきますわ。」
「・・・・・・ん。」
「「イエーイ!!」」
「………『つっこみ』とか言うのが足りないのじゃ。」
案の定、しずな君が落ちた!?
麻帆良中の男がいくら誘っても反応せんかったのに・・・。とりあえず・・・。
「ゥオッホン!!そこら辺にしておいて貰えんかのう?」
「おおっと、これは失礼。」
「フォッフォ、しずな君、もう下がって良いぞ。」
「は、はい。失礼致します。」
バタン、としずな君が去ったのを見送り、会話を再開させる。
「ようこそ、麻帆良学園へ。学園長・並びに統括理事の近衛じゃ。」
「――コホン。初めまして、近衛近右衛門学園長殿。
本日より配属となりました、愁磨・P・S・織原と申します。」
「同じく、ノワール・P・E・織原。シュウ……愁磨の妻になります。」
「アリカ・アナルキ……ではなかったの。アリカ・P・X・織原。同じく妻じゃ。」
「・・・・アリア・P・W・織原。」
「私は龍宮真名。何時か織原を堂々と名乗りたいね。」
仲が良いと思ったら、家族じゃったか。・・・・妻が二人!?
とかツッコミどころがあるのは、ワシが日本人じゃからじゃろうかのう?
と言うか、総じて名前を、どこかで聞いた覚えが・・・・。
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