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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第六話 未来のユニット
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ことも重々承知している。くわえて、彼女は現段階で試作にすら漕ぎ着けていない最新鋭兵器――ジェットストライカーの保有者なのだ。万が一軍の上層部にでも知られれば、ただ事ではなくなってしまう。

「なんとかした護ってあげたいのだけれど……うまくいくかしら?」

 司令官として時に非情な判断を迫られることもあるミーナだが、心根は優しく、思いやりに溢れた人間である。部隊にとって有益か否かという即物的な事情を除いてでも、ミーナは和音の事を護ってやりたいと考えていた。ついさっきの電話はそのための布石である。

「――らしくないぞ、ミーナ。少し疲れているんじゃないのか?」

 はぁ、とため息をついたミーナの背後から、良く通る声がした。
 振り返るまでもない。声の主が誰であるか、ミーナは見るまでもなく判断できる。

「あら、トゥルーデ。何時から居たの?」
「珍しくドアが開けっぱなしだったからな。何かあったのかと心配で見に来たんだ」

 やって来たのは、マグカップを二つ持ったバルクホルンだった。
 もう自室でベッドに入っていてもいい時間である。いかにも偶然通りかかった、という風を装っているが、大方わざわざ心配で見に来ていたのだろう。口にこそ出さないが、こういう細かい気配りのできる人間なのだ。

「まあ、これでも飲んで一息つけ。温まるぞ」
「ふふ、ありがとうトゥルーデ」

 マグカップに満たされていたのは温かいコーヒーだった。司令室の中に香ばしいコーヒーの香りが漂う。

「……ちゃんとお砂糖入れてくれたかしら?」
「もちろんだ。砂糖とミルク、どっちもたっぷりなのがいいんだろう?」

 実はコーヒーをブラックで飲めないミーナなのだが、そこは付き合いの長い戦友である。ちゃんと砂糖とミルクを入れてきてくれていた。ちなみにこの事を知っているのはバルクホルンとエーリカだけである。以前、抹茶を点ててくれたことがあったのだが、ミーナは結局、砂糖とミルクを入れて飲んでいた。坂本は露骨に渋い顔をしたのだが、それはまた別のお話。

「それで、悩んでいたのは沖田少尉の事か?」
「ええ……このまま隠し通すことはできないでしょうし、上層部に弄ばれるようなことにはなってほしくないわ」

 マグカップで掌を温めつつ、本音を吐露するミーナ。
 もちろん、バルクホルンとて思いは同じだ。

「そうだな……できれば共に戦えればいいんだが、難しいだろうな」
「空戦の技術はあるでしょうけど、問題は上をどう納得させるか、ね」

 正直な話をすると、軍に限らず組織というのは上に行けばいくほど腐ってゆく。
 これが権力だのなんだのと関わり合うとロクなことにならない。軍という組織などその典型といってもいいだろう。ジェットストライカー開発に躍起になっているこ
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