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駄目親父としっかり娘の珍道中
第14話 仲良くケンカしなって言うけど……じゃぁ具体的にどうやってケンカすりゃ良いんだよボケがぁ!
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い子供故とも言える不器用な感情表現だった。

「なのはちゃん……」
「もう、一人にしないでよ。私、一人ぼっちはもう嫌だよ……お父さんの側に居たいよ」

 尚も裾を引っ張る力が強まる。本来、銀時の力ならそれを強引に引き剥がす事など容易だった。だが、それをしなかった。出来なかったのだ。銀時の頭の中にも、なのはと共に過ごした思い出が詰まっている。
 それを切り捨てる事が、やはり出来なかったのだ。銀時もまた、顔をクシャクシャにして、そのままなのはを強く抱き締めた。

「ば、馬鹿野郎! 何でそんなガキに育っちまったんだよぉ。いっその事馬鹿な糞ガキに育ってくれた方が未練も糞もなかったってのによぉ!」

 回りのことなど関係ない。今、銀時はその目から涙を流して言い表せない感情を表現していた。そして、銀時の声もまた、同じように震えていたのだ。




     ***




 空にはすっかり星が輝き、月がより一層夜の町を照らし出す。海鳴市にあるビル街。其処では夜だと言うのに町の明かりが辺りをきらびやかに照らしている。都会の明るさだ。人工的な明るさでもある。そして、その明かりを見下ろすように一際高いビルの上で、フェイトはその光を見ていた。

「フェイト、大丈夫?」
「うん、私は平気だよ。何時までも落ち込んでられないからね」

 口ではそう言うが、明らかにフェイトの言葉には元気が感じられない。やはり、なのはが居ないだけで此処まで気を落としてしまったのだろう。こんな事なら、あの時無理やりにでも彼女を連れてくれば良かったと、この時アルフは後悔した。
 あれから、生活は元に戻ってしまった。毎日冷凍食品やレトルトで腹を満たし、ひたすらジュエルシードを集めるだけの機械じみた日々。楽しさも癒しも何もない。死人の様な毎日。
 そんな日々を送っていたのだ。そして、今回もまた此処に来たのはそのジュエルシードに関しての事だ。

(そうだ、私はジュエルシードを集める為だけに此処に来たんだ。自分の使命を忘れちゃいけないんだ!)

 自身にそう強く言い聞かせ、バルディッシュを堅く握り締める。このまま起動するのを待っても良いが、それでは時間が掛かる。かと言って、街中で起動してないのを探すのは流石に骨が折れる。第一、こんな姿を人前に晒す訳にはいかない。
 あくまでこの世界の住人には悟られないように振舞わなければならないのだ。

「アルフ、多少無茶だけど、広域結界を張って強制的に起動させるよ」
「ちょい待ち、それならあたしがやるよ」
「大丈夫? 結構疲れるよ」

 町一つ分を包み込む程の結界はそれ相応の魔力を消費する。成長途中であるフェイトには尚の事辛い。だからこそ、アルフが変わってやろうと言うのだ。
 それをフェイトは心配してい
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