第14話 仲良くケンカしなって言うけど……じゃぁ具体的にどうやってケンカすりゃ良いんだよボケがぁ!
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
じ取ったのだろう。
「銀さん……やっぱりなのはちゃんって――」
「あぁ、どう言う経緯で俺の前に現れたか知らんが、どうやらなのはは本来高町家のガキみたいだな」
士郎の供述やなのはの発言から手繰り寄せた結果だった。最早紛れも無い事実と言える。だが、となればなのははどうすれば良い。あいつは本来高町家の次女として育つ筈だった。だが、何故かは知らないが全く別世界である江戸の、坂田銀時の前に赤子として現れ、こうして9年間の間銀時を父親と慕いながら育ってきたのだ。言うなれば、なのはは此処海鳴市で生まれ、江戸で育った子と言える。
「銀さん、これからどうするつもりなんですか?」
「どうするもこうするも……あいつは本来あの家族の子なんだ……あっちの傘に戻るのが筋ってもんだろう」
「って、あんたはそれで良いんですか? 本当にそれで納得しちゃって良いんですか?」
新八は納得出来なかった。確かに、なのはは本当の家族の下へ帰るべきだろう。だが、それは自分達が彼女と別れる事になる。まだ短い付き合いではあるが、それでも4人で万事屋としてやってきた思い出がある。その思い出をあっさり捨てる事など、新八には到底出来ない事だった。
「俺等に選択肢なんかねぇんだよ新八。本当の家族の下に居るか、俺達偽の家族の元に居るか? どっちがあいつにとって幸せなのか、それを良く考えろ」
「銀さん……あんたなのはちゃんの事を考えて――」
銀時の心情は理解していた。口では散々疫病神とか言って、喧嘩も沢山した。それでも、心の内では本当の親子の様になっていたのだ。それをこうもあっさり切り捨てようとしている。銀時も本当は辛いのだ。辛くて仕方ないのだ。
それを必死に顔に出さないように耐えているのだ。それが新八には分かった。
痛い位に分かったのだ。
「もう、俺達に出来る事なんざねぇよ。後俺達に出来る事って言ったら……静かに此処を去るだけだぜ」
名残惜しさを残さぬよう、その場から静かに立ち去ろうとする銀時。だが、そんな銀時の裾を誰かが引っ張っていた。まだ名残惜しいのか新八。
そう思い振り返ったが、其処には違う存在がいた。
「お前……」
それはなのはだった。幼い体ながらも、必死に銀時の裾を掴んで離さなかったのだ。
「何やってんだよお前……お前の家族はあっちだろ? だったらあっちに帰るのが当然じゃねぇか」
「そんなの関係ないよ! 本当の家族も偽の家族も、私には関係ない。だって、此処には私の思い出なんてないもん! 私の思い出は、坂田銀時って言うお父さんと過ごした万事屋の思い出だけだもん!」
不思議と、なのはの声は震えていた。小さな顔が銀時を見上げている。その顔は涙で潤み、顔をクシャクシャにしてこちらを見上げていた。幼
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ