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「そんな! 木場君と兵藤が一緒に歩くなんて!」
「汚れてしまうわ、木場君!」
「木場君×兵藤なんてカップリング許せない! 五十嵐君×木場君こそが正義よ!!」
……などと、わけのわからないことを言っている。腐女子マジウゼー。五十嵐は……どんまい!
「わかった。さっさと連れていってくれ」
「その前に隼人君はいるかな? 彼にも用があるんだ」
「隼人君? ……あぁ、五十嵐のことか。あいつならもう帰ったけど」
「そっか……ならいいんだ。行こうか」
歩き出す木場に俺はついていく。これからいったいどんなことを聞かされるのだろうか? もしかすると、ゲームやアニメでよくある「君は特別な存在だから狙われる」的なことを言われるのだろうか? とりあえず覚悟を決めよう。俺は何かとんでもないことに巻き込まれているに違いない。俺はそう確信していた。
=====
見事に木場の呼び出しを回避した隼人は現在、とある人物の家にいた。高級感溢れる黒いソファーに深く腰掛け、まるで自分の家のように堂々と寛いでいた。
「なぁアザゼル。あんた『神の子を見張る者』を離れて大丈夫なのか? というより仕事は?」
「大丈夫だ。あっちには優秀な部下がいるからな。仕事? 何それ食えんの?」
そう答えたのは隼人の正面に腰掛けているアザゼルという青年男性だ。黒髪のワルそうな風貌で、灰色の浴衣を着ているこれまたかなりの美形だ。因みにこの家の主である。
「……アザゼル。あんたそのうちシェムハザに殺されるんじゃないか? 俺があんたの部下だったら一ヶ月以内に殺す自信がある」
「それなら安心しろ。ぜってぇ部下なんかにしねぇから。というかお前が言うとマジでシャレになんねぇから止めてくれ!!」
わりと本気で止めてくれと頼むアザゼルに、隼人は冗談だと笑いながら言う。その笑みは普段隼人が見せるにやにやとした、どこか狂気を感じさせるものではなく、歳相応の自然な笑みだった。
どうやら隼人はこのアザゼルという男に余程心を許しているようだ。
「ははは。そんな弱気で堕天使の総督が勤まるのか? 『人間ごときが!!』とか言って掴みかかってきなよ」
「……あのなぁ、世界最強の『魔紅の殲滅者』様相手にケンカ売るとか死にに逝くようなもんだからな? 後そんな三下台詞死んでも言わねぇよ」
「それもそうだな。……あ、そういえばついに見つけたよ。もう一匹の駄龍を」
「マジか!? そいつ強いのか!? つかどこにいた!?」
その言葉を聞いた瞬間、アザゼルは新しい玩具を貰った子供のように目を輝かせて隼人に問い詰めた。
「俺の通っている学園だよ。それとそいつは既に悪魔側だから引き込むのあ無理だ。
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