18話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
東方人街。東方からカルバート共和国に移民してきた人々が故郷を再現して作られた街。
このクロスベル市東通り地区でも共和国移民が多く住むため、その影響を受けた異国情緒溢れる特徴的な色彩と建築様式に初めて訪れた者は誰もが目を奪われる。
立ち並ぶ建築物の多くが木造であり、その赤と白のコントラストがコンクリートの灰色が目立つこのクロスベル市でも一際異彩を放っている。
そしてこの東通りもまた露天街という活気に溢れる一面を持っていた。
巨大都市であるクロスベル市では各地区で観光客やビジネスマン向けに食品を車両で売り歩くことは珍しくなく、屋台も非常に多い。
だが、この東通りの露天街は住宅街も隣接していることから食料品から日用品まで多種多様な商品が並び、中央広場のデパートなどに比べると物価も安く、商品を求めて殺到するお客の争奪戦を繰り広げる露天商たちは非常に活気付いている。
そのため常に雑踏の片隅では小さなイザコザが絶えず、そのトラブルに対処するため遊撃士協会クロスベル支部は東通りに存在する。
支える篭手の紋章と掲げられた看板に大きく遊撃士協会と書かれた建物を支援課の4人が窺っている。
「いざ目の前まで来ると、なんだか緊張するわね」
「はい」
遊撃士協会クロスベル支部は決して大き過ぎる建物ではないが東通りの一等地である住宅街と露天街の間に建っていることがその重要さを表しているようにとにかく人の出入りが多いのだ。
まだ午前中だというのに訪問者が尽きないという事が非常に頼られている、当てにされているとわからされて気圧されるのだ。警察本部の受付ががらんとしているのとは対照的である。
それは挨拶でもと軽い気持ちでやってきたものの忙しいからと相手にされないのではないかという危惧は足を竦ませるのに十分なものだった。
とりあえず人が少なくなったので協会に入って待つことにするとこちらを見た受付からすぐに声を掛けられた。
「あら、いらっしゃい。あなたたち・・・ひょっとして特務支援課の坊やかしら?」
なんでわかったんだと驚いた4人は受付に近付き自己紹介を行った。
「初めまして。クロスベル警察特務支援課のロイド・バニングスです」
「私は遊撃士協会クロスベル支部の受付を担当しているミシェルよ」
このミシェルは一目で特徴がわかる男性だった。30代の男性でドレッドヘアーに立派な体躯にピンク色の服装、そして物腰柔らかな態度と女性口調。
つまりオネエっぽいのである。
ロイドたちも面と向かうとその姿になんとも言えない気まずい感覚になっていた。
しかし会話すればそのような印象は吹き飛んでしまう。
「どうして私たちのことが」
「アリオスからも聞いてたし、胸のエンブレムと顔ぶれを見れば一目瞭然よ。どうやらわたしたちと同じような活動
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ