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なのは一途のはずがどうしてこうなった?
外伝エピソード04
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、再び俺に体重を預ける形になった。

「いいから、じっとしてな。しばらくしたら治るから」
「……はい」

アインハルトは、顔を朱に染めて大人しくなった。
多感な時期に異性である俺に抱きつく形というのが恥ずかしいのだろう。
格闘の後の検討だ。
アインハルトは相変わらず俺に肩を寄せているが。

「――断空拳。足先から練り上げた力を拳足から打ち出す技法そのものが、断空です。――私はまだ拳での直打と打ち下ろしでしか撃てませんが」

アインハルトは気絶しているヴィヴィオをジッと見ている。
何か、思う所があるのだろう。
徐々に、俺からアインハルトの体重が離れていく。

「で、ヴィヴィオはどうだった?」

しっかりと、アインハルトは自分の足で地に立つ。

「彼女には、謝らないといけません。先週は、失礼なことを言ってしまいました。――それを訂正します、と。そして私は、この子とまた戦えたら、と思っています……」
「起きたら言ってあげな。ヴィヴィオ喜ぶよ?」
「……恥ずかしいので、嫌です……」

アインハルトは顔を赤く染めて、ソッポを向いた。



ヴィヴィオさんの父親であるミウラ・ケイタさんにみっともない所を見せてしまった。
ヴィヴィオさんは覇王《わたし》が会いたかった聖王《かのじょ》ではなかった。
しかし、私は、彼女《ヴィヴィオ》とまた戦えたらと思っている。
私《アインハルト》と、彼女《ヴィヴィオ》はまだまだ未熟だ。

「――と、こんな感じでアインハルトとヴィヴィオのさっきの動きをスローでやるとわかりやすいだろ?」

ノーヴェさんと、ケイタさんが、先程の私とヴィヴィオさんの動きをスローモーションで再現していた。
ノーヴェさんが、私役で、ケイタさんが娘であるヴィヴィオ役で。
そして、一息。

「で、アインハルトの断空拳を再現するとこうだ」

私は、驚愕した。

「――!?」
「俺流断空拳?」

疑問形の口調だったが、ケイタさんが放った拳は断空拳に近いモノだった。

「な、なんで?」
「魔力を練りあげて拳に収束。んでもって、殴ると断空拳に近い感じじゃない?」
「ケイタ。感じじゃない? じゃなくて、もっと詳細に話せよ」

ノーヴェさんの言葉に全員が頷いた。

「うーむ。重心移動プラス魔力移動なんだよね。これ。足、腰、腕から拳へ。この重心移動に魔力を乗せて拳を、打つ! と、こんな感じで断空拳の偽物が出来上がる」

ケイタさんが自ら私の、真正古流ベルカの格闘武術覇王流(カイザーアーツ)を似せてみせた。
確かに、偽物だ。
どうしよもなく、偽物だ。
しかし、どうしよもなく私の拳と似ている。

「まあ、形を真似ただけで本物とは違う偽物だよ」
「それでも、凄いと思い
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