第31話 動乱
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にマリアンヌの侍女になり、常に側には喋り好きの由緒正しい貴族令嬢や富豪の娘がいて、その娘たちが話す噂話を真面目にうけとめているせいだった。
その時に、ワイアットの電撃タルブ訪問である。
妄想女化してしまったマリアンヌは、とても、王族に見えなかった。
ワイアットの好きな淑女では決して無かった。
そんな少し話しかけるのに王族と言うのを抜きにしても躊躇される彼女に話かける者がいた。
「マリアンヌ様!ワイアット様がマリアンヌ様にこれをと…」
マザリーニは、ワイアットに言われた通り、マリアンヌに包みを渡した。
「これをグリーン様が私に?」
マリアンヌは、その包みを開いた。
その包みの中には、一対の人形が入っていた。
その人形は、ワイアット渾身の力作で、イギリスの陶磁器を作るために製作していたボーン・チャイナの技術を使ったビスク・ドールに、ワイアット人形に、金糸を使って作った髪を一本一本を丁寧に錬金で植え込み、眼にはエメラルドを加工、唇の色はルビー等を組み合わせた染料で、丹念に色付けした。
その他の色を錬金と染料で付け、服は最新の裁縫技術を使い作り装飾も細かくして、ワイアットのこだわりが感じられる。
もうひとつのマリアンヌ人形は、大部分の材料や工程は同じだがしっかりとワイアットとの身長差を再現しつつ赤い髪は、ワイアットが昔、ライと退治しに行った赤い鬣の猛獣の鬣を使っている。
この一対の人形は、固定化で強化されており壊れずらくなっている。
この自慢の人形を作り上げてマリアンヌに、プレゼントして機嫌を良くすると言う目的があったのだ。
マリアンヌはというと
「グリーン様ったら、こんなに可愛らしく私を作ってくれて…」
恐ろしいぐらい人形とそれを作ったワイアットにときめいていた。
自分が確かにワイアットの事をベタ誉めして、ワイアットを好きになるようにしたがここまで好きになるとは…
とマザリーニは、自分自身の才能かそれとも、ワイアットが凄いのか、マリアンヌがアレなのか考察をしていた。
ワイアットの贈り物は、大体そんな感じでマリアンヌの部屋に宝石箱(ワイアットの贈り物)にしまわれて毎晩寝る前に出して可愛いがられ手入れされているのだった。
何時の間にか、時間は流れて、ワイアットは、日々の激務から眠っていたのだ。
ワイアットは、自分で淹れた紅茶が冷めているのを見て、若干顔を歪ませて、その冷めて渋く成った紅茶を胃に流し込んだ。
その時に、扉が叩かれ聞き覚えのある声がワイアットの耳に入った。
「ワイアット様、会議にご出席をお願いします。」
マザリーニの声にワイアットは、書類をそこそこに開き廊下を進む。
ワイアットは会議室
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ