屋上にて
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姉さん?」
「どうやらアイツが用があるのは私だけみたい。だからお前らはここで待ってて」
千李は言うと持っていた鞄を大和にほおった。
「千李姉さんギャラリーは?」
「はけさせなくていいわ。今度こそ精神的にも肉体的にもへし折ってやるから」
そういった千李の瞳には残虐な光が浮かんでいた。
男の前まで来た千李は声をかける。
「やぁ傷の調子はどうだい?五流格闘家さん」
「てめぇ……!」
千李のあまりの軽々しい声に苛立った声を男は上げた。
だがそこで千李が笑い始めた。
「それにしても、回復力だけは褒めてあげるわ。ねぇ陰山さん?」
にやりと笑いながら千李があおると陰山はついにキレたのか懐に手を突っ込みナイフを取り出した。
それを見た千李は大きくため息をついた。
ため息を聞いた千李に陰山は怒声を浴びせる。
「もう武道だなんだ関係ねぇ!!てめぇはここでぶっ殺してやる!!!」
「まったく。まだ拳で挑んでくるならよかったけどついにそれだしちゃうとわね」
「うるせぇ!!!」
叫びながら陰山は千李に突っ込むがそこで唐突に陰山の動きが止まった。
千李が睨んでいたのだ。
その瞳には光が宿っておらず後ろにいた百代たちにまで悪寒を走らせた。
千李の前にいて直に睨まれている陰山は震えだした。
「どうした?殺すんだろう私を」
いいながら千李はゆっくりと陰山に近づいていく。
陰山のは自分の頭で警鐘が鳴っているのを感じていた。
……やばい!コイツは本当にヤバイ!!逃げなくては逃げなくては!!
もはや自分で動くこともままならなくなっていた陰山の眼前にまるで幽鬼のような眼をした千李がゆらりと現れた。
「た、たすけ……て」
振り絞ったのは助けを求める声だった。
だが千李はそれに残虐な笑みを浮かべた。
「おいおい。自分で私の事ぶっ殺すとか言っときながら今更命乞いはないでしょう?」
いいながら千李は指を鳴らす。
そして次の瞬間陰山を前とは比べ物にもならない衝撃が襲った。
「っっ!!!???」
声にならない悲鳴を上げ陰山は吹っ飛ばされ、何回もバウンドしたあと動かなくなった。
「だから二度と私の前に顔見せんなって言ったろ……クソッタレが」
そういい残し千李は大和たちのもとへと帰っていった。
帰った千李に大和が聞いた。
「千李姉さん……ちょっとやりすぎじゃ」
「あっちが殺意むき出しできてなおかつナイフ持ってんだから正当防衛よ」
その返答にその場にいた全員が「えー……」と言った顔をした。
すると京が口を開く。
「千李先輩
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