第三十三話 少年期O
[1/9]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「うーん、やっぱりこれは習いたいなぁ…。でもそれだとこっちは諦めないとダメだし」
「珍しいね。アルヴィンがそんなに悩むなんて」
「ちょっとな…。少年Aは決まったのか?」
「いや、俺も全然できてない」
早めに給食を食べ終わった俺は、先ほど先生からもらった用紙を片手に持って考えている。顎に手をあてながら一緒に参照用のプリントを見るが、なかなか難しい。やっぱり先生が言っていたように、家に帰って母さんと相談した方がいいのかなー。
俺は食べ終わった食器とデザートのゼリーの容器を隅に重ねて置き、右手で鉛筆をくるくる回してみる。それにしても学校に通うようになって早1ヶ月。今更だけど、前世の日本に比べるとかなり授業スピードが速い。学校での約束事が終わったら、すぐに授業へと入ったからな。就学年数が少ないんだし、これは油断していたら置いていかれるな。真面目に頑張ろう。
さて5月に入り、学校では新しい取り組みが1つ増えることになる。俺たちが通うミッドチルダの学校では、初等部の内から選択授業を取ることができる。1年生ということもあり、どちらかというと必修科目の方が多いが、週の6つぐらいを自分の好きな科目として選べるのだ。あと学年が上がればさらに選択授業は増えていく。色々な系統があるから、正直めちゃくちゃ悩んでしまう。
前世の大学生時代に、受けたい講義を自分で選択したことがあったからやり方はわかる。だから試しに自分で組んでみようと思ったんだけど、もう白旗をあげたくなってきた。正直範囲が広過ぎる。魔法学だけでも数種類。それだけでなく機械類の操作や医療のやり方、さらに次元世界の歴史に料理の作り方までまさに多種多様なのだ。
先生からは1年生で必要な学習は必修で大丈夫だから、選択授業は自分が受けたいもの、または興味があるものを選べばいいと教えてくれた。初めてなんだからそこまで難しく考えなくてもいいとも言われたが、適当に選ぶにはもったいなさすぎる。
「ちなみに、少年Aは絶対これは取りたいとかはあるのか? メェーちゃんは遺物関係や歴史学選考らしいから、もう決まったみたいだし」
「あぁ、確かにメリニスはもう将来が決まっているって話していたしね。俺は星とか宇宙が好きだから、そういうのをとってもいいかなって思ってる」
「へぇー、そうなんだ」
みんななんだかんだで方向性が決まっているんだなー。俺は一度選択授業の紙を机に置き、まだ飲み終わっていなかったお茶のパックを口に含む。考え事しすぎると頭がオーバーヒートするしな。適度に冷却冷却ッと。
それならやっぱり俺は、冒険家に将来なるために必要な勉強はしておきたいかな。次元世界に関する知識や現存する生物についても知っておいた方が、楽しみを増やせるし、危険だって減らせる。ユーノさん
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ