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少女1人>リリカルマジカル
第三十三話 少年期O
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出てきた。


「なんか、気分転換したくなってきた。自分の好きなことに全力投球をしたら、この気持ちなんとかなるかな」
「アルヴィンの好きなこと? 放浪といじりと妹のこと?」
「おい、少年A。間違ってはいないけど、俺の3要素がそれってろくでもなさすぎるだろうが」
「否定できないところが逆にすごいよね…」

 確かにふらふらするのは好きだし、いじるのも面白いし、シスコンと言われたら喜ぶけどさ。本当に否定要素がないところがあれなんだけどね……。

「なんか余計落ち込んできた。……でもこういう時こそ、テンションあげていかないとまずいよな」
「いや、君の場合それぐらいが一番いいと思う」

 少年Bがなにか言っているが気にしない。だけどただ騒ぐだけだと先生に迷惑をかけてしまうし、1人ではっちゃけても面白くない。ならば先生のお役にたちながら、クラスのみんながフィーバーできる何かが必要だろう。

 現在給食の時間も佳境に入り、先生の声掛けでおかわりが始まっている。先生が1人1人に余っている給食を配っている光景を見て、俺はひらめいた。今日の給食に出ていたみんなが大好きな食べ物。俺は視線を向けるとそれが1つだけ残っていることを確認した。これは間違いなく戦争になる。それを察した俺は、すぐに行動を開始した。

「先生! 俺食べ終わったのでお手伝いしてもいいですか?」
「アルヴィン君? あら、綺麗に食べ終わったのね。給食のお手伝いをしてくれるの?」
「はい。このままだと古代ベルカ時代のような泥沼の戦いが繰り広げられるかもしれないので、阻止するために立ち上がります!」
「給食だよ!?」

 お手伝いしたいと頑張って主張した気持ちは大切だし、……とりあえずやってみる? と俺に任せてくれたので、先生のご期待に応えようと思う。俺は配膳台の前に立ち、余っていた給食をその手に取る。すると、大勢の子ども達の視線が俺の持つ物に注がれる。やはり俺の判断は間違っていなかった。獲物を狙う子どもたちの目は本物だ。


「――諸君。俺の手の中にあるものが何かわかるかね」
「デザートのゼリー」
「いつもの無口っぷりが一瞬で消えたな、少年E」

 自分の好きなものに関しては本当にハッスルするねー。そんな風に思いながら、俺は手の中にあったゼリーを転移でとばしてみせた。それにざわり、と子どもたちからざわめきが起こる。それと同時に恐る恐る少年Bが代表して手を挙げた。

「えっと、アルヴィン。ゼリーをどこにやったんだ?」
「あぁ、あのゼリーか。ただじゃんけんをするのは俺がつまらないので、ちょっと趣向をこらしてみた。だから欲しけりゃくれてやるさ……、探してみろそのゼリーのすべてを教室のどこかに隠してみた!」
「なんてことしてんだ!?」

 え、宝探しって
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