第三十三話 少年期O
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みたいに遺跡を巡るのも面白そうだろう。
「アルヴィンも一応やりたいことは決まっているんだから、決めるのは簡単じゃないのか?」
「あー、それがそうもいかないんだよ、少年B。実は半分ぐらいは選ばないといけない科目があるからさ。残り3つぐらいじゃ受けたい授業がなかなか取れなくて」
「え、放浪関係以外で取りたい科目がちゃんとあったの?」
なんでそこでそんなに驚かれないといけないんだよ。あとそこは放浪じゃなくて、冒険と言ってほしい。俺たちの会話に聞き耳をたてていた少年Aにも目を見開かれるし、俺ってそんなにもふらふらしてばっかりいるか?
「ちなみに何を選んだんだ?」
「基礎のベルカ語と、古代ベルカ時代の歴史。あとはサーチ関係の魔法講座」
「……え、意外すぎ。サーチ関連の魔法は、冒険で使えそうだからわからなくはないけど。……というかアルヴィンって、ベルカ時代のことに興味があったのか」
「まぁ、そんなところかなー」
小さく笑って適当にぼかしながら、俺は用紙と再び睨めっこする。正直こればっかりは仕方がないことだよな。無限書庫は検索魔法が使えないと、さすがに手も足も出せないぐらいに大量の本がある。ミッドじゃマイナーな魔法だから、練習するにも資料が少ない。なら教えてもらえるなら教えを乞うべきだろう。
それと俺が調べているものがベルカに関係するものだから、やはりどうしてもそれ関連の資料はベルカ文字で書かれていることが多い。さらに俺の場合、古代ベルカ時代まで遡る可能性が高い。そうなったら古代ベルカ語も範囲にいれないと進まなくなるだろう。とても自習程度でなんとかなるレベルじゃない。
さらに調べるにしても、古代ベルカ時代の系列がわからないとまとめることすらできない。聖王――ゆりかごの時代は古代ベルカの歴史では割と最近の方で、旧暦450年ぐらいのことだ。今から約500年前の出来事で、この頃はまだ比較的に資料が残っているらしい。
だけどそれ以前になると、それこそ年号があやふやで先史時代なんて一括りにされてしまうような戦乱の時だ。それこそ『どこどこの王様の時代の〜』とか『どこどこの国が勢力を持った時代の〜』とかそんな感じで載っている。
……うん、わかるか。その王様何年前の人だよ。国なんて作っては滅ぼされている。さすがに覇王と冥王なら、冥王の時代の方が古いみたいなのはわかる。だけど、王と呼ばれていた人はそれなりの数いたし、それを時系列順に並べるのはさすがに難しい。国とかになったらお手上げだ。ならこれも勉強して補うしかない。
―――あれ、おかしいな。リリカルな世界って俺の記憶では、ファンタジー要素盛り込んだ熱血美少女砲撃ストーリーだったと思うのに。なんで俺こんなにも頭を使うことをしなきゃいけないんだろう。あ、ちょっと涙が
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