ブショー、戦う。
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「……くっ、こうなったら!! カーフ!! 『だましうち』!!」
カズヒデはそう言ってカーフに命令を下す。
刹那、カーフは走り出し、ヒデヨシの隣にいたゴウカザルに向かって走り出した。
「こうなれば……、先手必勝だ!!」
カーフはただひたすら走る。その前にひそめるゴウカザルを、倒すために。
「おやおや、どうやら威勢のよいようで」
ヒデヨシはようやく口を開いた。そして、
「ゴウカザル!!」
ゴウカザルはその呼び掛けに答え、拳を畳に向けて振り下ろす――――ちょうどカーフのところに。
「カーフぅぅぅ!!!!」
カズヒデは叫んだ。
カーフはその拳をまともに食らってしまい、ダメージを充分に受けてしまっていた。
「……カーフ。ですか。このポケモンの名前は『イーブイ』のはずだろう? ニックネームをつけるなんぞ片腹痛い。おまえ、それでもブショーか?」
ヒデヨシはそう言ってカーフの頭を鷲掴みにする。
「よせ!! やめろ!!」
カズヒデの言葉も聞かず、ヒデヨシはカーフを眺める。
「ほほぅ……。そこそこ鍛えておるようじゃなぁ」
カーフを見てヒデヨシはどことなく感心したように頷いて、
「だが、」
カーフをカズヒデのほうに投げ捨てた。
「カーフ!!」
カーフが地面につく前にカズヒデがなんとかキャッチをして、頭をなでる。
「大丈夫か?」
カズヒデの問いにカーフはゆっくりと頷いた。
「……ブショーの厳しさがわかったことだろうし、おい。こいつを牢に放り投げろ」
ヒデヨシの命令も束の間、数名の人間が登場して――服装からして忍者だろうか――カーフを抱きながら泣いているカズヒデを強引に立たせ、縄で結び、どこかへと運んでいった。
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