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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幻想御手
Trick18_これでも私、レベル0ですよ
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いはないはずです」

信乃が棚にある資料を出して4人に見せるように広げた。

「そうですわね、答えは間違ってませんの。ですけど、見方の問題ですわ」

「どうにか聴覚だけで五感全てに干渉する方法があったらいいのに・・・」

御坂が適当に言ったその一言に信乃が反応した。

「聴覚だけで・・・そうか! 共感覚性!」

「「「え?」」」

「共感覚性! 赤い色を見て温かく感じたり、青い色を見ると冷たく感じる!
 風鈴の音だってただの音のはずなのになぜか聞くだけで涼しく感じる!
 一つの感覚で複数の刺激を受ける!」

「もしそれが幻想御手に使われてる可能性があれば」

「音だけで学習装置と同じ効果が出せますの!」

信乃の続きを御坂と白井が受け継いだ。

「私、早速木山先生に連絡します!」

初春は携帯電話を持って出ていった。


「信乃にーちゃん良く気付いたね」

「信乃にーちゃん言わない。
 これでもあなたたちより長生きしてますから」

「長生きって、わたくしとはたった3年しか変わりませんわよ?」

「その3年の差にいろいろあったんですよ」

「「!」」

御坂と白井は不意に思い出した。

西折美雪、信乃の家族から聞いた信乃の壮絶な人生を。

簡単にしか説明されてないが、それでも自分が同じ体験をすれば
生きていけない思った。


「美雪から聞いたでしょ? "俺"の過去の話」

「「・・・・」」

信乃が、ゆっくりと、暗い言葉を出した。

「琴ちゃんは美雪と同じ時に言ったよな・・・・まあ、大変だったのは
 最初の半年だけだよ。でも、戦場で過ごした半年、それが一番ひどかった」

御坂と白井は何も返さない。

「といっても、社会に戻ってからは普通に過ごしたから大丈夫だよ。
 あ、普通といっても波乱万丈だな。
 飛んでいる飛行機の上を走ったり、人類最強の赤色と戦うことになったり」

「「は?」」

シリアスな雰囲気から考えられない言葉が出てきて変な声が出てしまった。

「まあ、"私"が言いたいのは、人生いろいろってことですよ。
 あとは普通に私に接してくれてありがとうってことです」

いつの間にか信乃の話し方がいつもと同じになっていた。
信乃の笑顔、そこには偽りもなく感謝の気持ちが現れていた。


「御坂さん、白井さん、信乃さん、木山先生に連絡しました!
 幻想御手の解読には"樹形図の設計者"(ツリーダイアグラム)を使うみたいです!
 私、これから木山先生のところに行って使うところを見てきたいと思います!」

話がちょうど終わったときに初春が部屋に入ってきた。

「あ、それなら私も行きます」

3人の中で手を挙
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