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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十二話 親子対決!?速いのはどっちだ!?
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さて、食事を終え、此方はアルピーノ家の図書室。ルーテシアやメガーヌの趣味もあって、個人収集用の部屋としてはかなり広く。また、多くのレアものの歴史書等が並ぶこの部屋に、片付けを終え、洗い物を担当のヴィヴィオとアインハルトに任せたルーテシア、リオ、コロナ。そして何故か内臓魔力で自由行動をしているクリスの三人と一機はやって来ていた。
と、ルーテシアが本棚の一角に近寄り、其処から一冊の本を取り出す。
「あ、ルーちゃん。もしかして、その本……」
コロナが言うと、ルーテシアは取り出した本を抱えながら、微笑んで言った。
「うん。アインハルトに見せてあげようと思って」
それは見た目としてはごく一般的なハードカバーの書籍より少し大きいくらいの、翡翠色の本。その一ページ目には、アインハルトとよく似た光彩異色の瞳と、碧銀の髪を持つ、顔立ちの良い男性の絵が描かれていた。
「歴史に名を刻んだ、『覇王』イングヴァルト……クラウス・イングヴァルト自身の回顧録」
────
回顧録
文字等の記録形式等によって遺された、ある事件、事象。もしくは人生そのものにおける、自身の体験談を記したものである。
無論、ルーテシアの家に有るのは、原本では無い。後世の写本……「であるとされる物」だ。これが本当に、クラウス・G・S・イングヴァルトの回顧録であると証明する物は無いため、其処はなんとも言いようがないが。
……さて、彼女達の話も気になる所だが、此処で少々場面を移すとしよう。
彼女達三人がそれを開いているのと同じころ、ライノスティード・ドルクは庭先をぶらぶらと歩いて居た。先程クラナが大人チームの訓練に誘いを受けた後、一応ライノも誘われたのだが、色々と体力が持ちそうにない(要は面倒臭いだけだろと言う突っ込みはこの際勘弁してやっていただきたい。)と言う理由により、単独行動に出たと言う訳だ。
さて、そんな彼が何をしているかと言うと……
「んぁー、きもちぃ〜……」
草むらに寝そべって見事にだらけていた。
都会に居ると、ときどきこう言った自然一杯な場所が恋しくなると言うが、なかなかどうして、本当だったらしい。日差しは丁度良い具合に温かく、寝そべる草は柔らかく、吹き過ぎる風はさわやかで、木陰は涼しい。
「もう、このまま昼寝したい」
[マスター、この合宿の意図を根本的に理解しかねてはいませんか?]
「いいじゃん〜、明日有るんだし……」
[向上心の欠片も見られませんね。最低です]
「そう言うなって……」
等と言いつつ、やはり動かず草むらの上に寝そべっているライノ。と……
「……ません……せっか……に……で」
「……え……んな!」
「ん?」
不意に、聞いた事のある声が聞こえて、ライノは上体を起こす。見ると、少し遠くに見慣れた金色
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