暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第30話 生きてくれ
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、温めてくれる。サチはそう思えたのだ。
 だから、あの時言えなかった言葉を、言う事が出来た。

「あ……はい。その……ありがとう。 あの時も、私を、助けてくれて……ありがとう……ございます……」
「……気にしなくて良い。だけど、さっきの事は約束してくれ」

リュウキは、徐にに起き上がると、サチの前に立った。

「……生きてくれる事。……この世界が終わるその瞬間まで。どんな形だって良い。戦わなくたって良い。……生きて、あの世界へ無事、戻ってくれ。 望むのはそれだけだ。……オレが救えた命には意味があった事を、それをオレに教えてくれ」

 そう言ってサチの肩を叩いた。

「あっ………」

 その言葉を訊いて、サチの涙は再び流れる。
 自分は死ぬしかないんだと思っていた筈なのに、目の前の人、リュウキに そしてキリトに救われたんだ。だからこそ、救われた命を、もう無駄にしないようにと、サチは心に強く誓った。

 その時、リュウキにメッセージが届いた様だ。

「……悪いな」

 リュウキがそう言うと、キリトは頷いた。サチは、涙を必死に拭いながら頷いた。

 リュウキは、届いたそのメッセージを確認すると。

「……予定が入った。すまない」

 そう言っていた。だけど、2人は首を振る。

「ああ、悪かったな。朝早くに」

 キリトが謝り、そしてサチはリュウキの目を見つめた。あの時のような目ではない。

「ありがとう……リュウキさん。私、忘れません……貴方が言うとおり……私、頑張ってみます。この世界が終わる。……最後まで」

 サチは、強い意志を持って、そう答えていた。サチのその目には、もう涙は流れていなかった。
 そして、リュウキに訊いた。

「私が……、もし 約束を果たせたら、現実の世界で…… また、会えますか? 会ってくれますか?」
「……そうだな。 暇だったら、な」

 リュウキは、そう言って笑うと、手を上げて去っていった。



 ここに残ったのはキリトとサチの2人。

「アイツは……オレも救ってくれたよ。アイツがいたから、気をしっかり持つことが出来たんだ。そして、サチの事も……救う事が出来た」

 キリトは、リュウキの後姿を見ながらそう呟いた。感謝してもしきれないのは、サチだけじゃない。キリトも同じだった。

「そう……なんだ」

 サチは、微笑んでいた。微笑む事が出来る様になったのだ。リュウキの笑顔を見て、そして キリトが傍に居てくれたから。

「サチ、……黙っててゴメン。……謝ったって、赦されるものじゃないけど……オレ……」

 キリトは、この場で謝っていた。自分の事を偽っていたのだ。自分のレベルを隠し 彼らと共にいたのだ。もし、ちゃんとレベルを伝え
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