第一物語・後半-日来独立編-
第四十章 戦場で踊る者達《3》
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『変形武器か、近接戦闘も考慮済みってわけだな』
「攻め切れればこっちの勝ち、守り抜くかこっちを攻撃してダウンさせればそっちの勝ちさ」
『いい意気込みだ。ならその意気込みを褒めて、辰ノ大花の者の礼儀として手合わせ願おうじゃないか』
「だったらあの掛け声が必要だね?」
一人と一機は間を置いて、
「いざ、正々堂々尋常に勝負――!」
『いざ、正々堂々と尋常に勝負――!』
短機関銃を武器装着部へとしまい、即座に振り抜いた流魔刀と、降り下ろした炎熱火剣はぶつかった。
●
一方は青の刃による連続攻撃を、もう一方は緋の刃による重量攻撃を仕掛けている。
双方加速機を休みなく噴かせ、空に多数の打撃音を響かせた。
ぶつかった衝撃により刃は欠け、散るが即座に流魔によって再生される。
だから火花に似た塵が毎度見られ、それが空に飾りを施した。
鍔迫り合いに入ったため、休憩を取るように話し始めた。
「アンタらは長が死ぬってのにこうして戦ってる。これに何の意味があんのさ」
『意味なんてものは無い。俺達は俺達なりの事情ってもんがある。日来のお前には分からんだろうがな』
「なら黙って見てればいいさ。ウチらの長は今からアンタらの長に告りに行くからさ」
『無駄だと思うがな』
「馬鹿な長ならやり遂げるさ」
『そうかい――!』
と、こちらを突き飛ばすように彼方は力を入れ、刀を振り抜いた。
開いた距離を俊敏に距離を縮め、流魔刀による斬撃を放った。
炎熱火剣は剣であると同時に砲であるため、重い動作になるため炎熱火剣による防御は不可能。
加速機を一噴かしし、攻撃範囲から逃れた。
反撃はここからだ。
火炎ノ緋翼が握る炎熱火剣を変形、今度は炎熱火砲による砲撃を放つ。
トリガーに手を添え、
「再び吠えろ、炎熱火砲――!」
『しまった! この距離は――』
言葉を紡ぐ前に砲撃が放たれ、目の前が眩しく熱い光に包まれた。
直撃は何としても避けなければならない。
イグニッションによる緊急回避!
即座に判断し、大気を押す圧を一点に集中させるように加速機を閉じ、圧がこじ開けるように蓋を一気に開き、開き逃げ場を見つけた圧による爆発を起こした。
だが、回避を行う予備動作が長過ぎたために背中が焼け、溶けた。
これによって武器装着部に納めていた短機関銃と長銃を失ってしまい、遠距離攻撃が不可能となってしまった。
犠牲はあったが、武器装着部とそれに納めていた武器の焼失だけに止められたのは運が良かったと言うしかない。
あんな武器相手に実戦装備でないのはかなり不利で、あの砲による砲撃は確実に戦闘艦を撃沈させるために造られたものに違いない。
監視され、武装チェックが行われていた筈だがそんなものを何処にどうやって隠
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