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ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
番外編:或る飛龍の物語
或る飛龍の物語《2》
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LOでもっとも連撃数が多いのは、シャノンのOSSである《ホーリー》。常人にはほぼ不可能な二十三連撃のソードスキルで、本人も『使用できるのはたぶん一日一回』と言わせしめる大技だ。

 ちなみにその次に多いのはかつて、今はもういない《絶剣》の異名をとった少女が使っていたソードスキル、《マザーズ・ロザリオ》。十一連撃で、現在は《閃光》アスナが継承している。

 その次に強力と言われているのはセモンのOSS、《ソウテン》。9連撃のOSSだが、現在は彼ではなくコハクが使用している。なぜならあのソードスキルは槍スキルで、セモンが彼女のために作り上げたOSSだからだ――――半年前の彼女の誕生日に贈った――――。

 そして、ハザードのOSS《エルド・ディゴ》は、OSSでは本来ありえない単発剣技だ。

 これはハザードが兄の茅場晶彦と共にスキルやモンスターのデザインをしたため――――実は《太陽剣》のスキルはハザードが考案した、『本来あるはずのないスキル』だった――――、ソードスキルの動き全てを暗記しているからだ。

 微妙な打ち込み系ソードスキル同士の動きの誤差を計算し、抽出した唯一無二の動き。

 それを圧倒的なスピード、威力で打ち出すこのスキルの完成には二カ月を費やし、このスキルは現在ハザードのスキルの中で最強クラスのものとなっている。


 果たして、重厚なOSSは、フレスヴェルグの胴体に突き立った。

「よし!」

 しかし直後に、ハザードは今のソードスキルを選択したことを心の底から後悔することになる。


 フレスエルグに突き立った刀身。しかし、フレスヴェルグは動じない。むしろ、肉を切らせて骨を断つ、とでも言わんばかりに双のくちばしを開き……

 ブレス攻撃を、超至近距離からハザードにブチ込んだ。


「な……」


 
 死亡はしなかったものの、ハザードは大きく空へと舞い上がり――――――――


「なぁああああああああ!?」



 アルヴヘイムの大地へと、まっさかさまに落ちて行った。


 ここから、この物語が始動する。
 
 ハザードの運命を大きく変える出来事の幕開けだった。


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 或る飛龍の物語


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「ぐはぁ!?」

 ゴムンッ!!という聞いたこともない様な鈍い音と共に、ハザードは地面の上に落下した。

「痛ぅ……ここは、どこだ?」

 あたりを見回す。

 今自分が落下していたのは、半ばコケで埋もれた石畳だった。石畳はしばらく先まで続いていた。

 あたりは樹木で覆われ、さわさわと涼しげな音を立てていた。

「こんな場所が……ALOにあ
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