整備科の学祭準備
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ちなみに先週の君と織斑君の騒動は私が所属した2年間で一番取りに来る人が多かった」
「間違いでしたけどね」
「うぐ……面目ない」
私の言葉に黛先輩が頭を垂れますがこれぐらいの意地悪は許容範囲でしょう。
「で! 部長を編集長として全員でネタを集めて記事を作るの。どう、面白そうでしょ?」
「はあ、まあ」
「なによその返事はー」
いやまあ勧誘されても私は今のタイミングで部活に入る気はありませんし、いくら黛先輩が目で「入ってください」と訴えてきても今の私には届きませんよ。
あ、このケーキおいしいですね。
そんなこんなで新聞部の説明を受けつつケーキとお茶が終わるころ、部室の扉が開いて人が入ってきました。
「お疲れ様―」
「あ、部長。お疲れ様です」
聞き覚えのある声に振り替えると……そこには整備科3年生の神月先輩が立っていました。
「か、神月先輩!?」
「あら、カストちゃんじゃない。久しぶりね」
「あれ、部長とカルラさんって知り合いですか?」
「うん、まあ一学期にちょっとね」
「え、部長ってまさか神月先輩が?」
「そう、意外だった? あ、いいわねケーキ。黛さん、私のある?」
「はいはい、今お持ちしますよっと」
黛先輩はそう言うと神月先輩に席を譲って台所へ。入れ替わりで神月先輩が私の横に座ると頬杖をついて私の方を見て話しかけてきました。
「なに、入部希望? 歓迎するわよ?」
「ち、違います。そのー、この間のお詫びってことで……」
「この間? ああ、あのキス騒動の。悪かったわね、私がチェックしなかったせいで」
あれ、部長ってことは編集長ってことだから神月先輩が原稿のチェックするんじゃないのかな?
「私は今年卒業だし、一回いい機会だから号外を後輩に任せてみたの。そしたらいいネタがあったから思わず飛びついちゃったのね」
「そうだったんですか」
「まあ今年は一年生が入らなかったし、その上その一年生が一番記事になるっていうのにそれをネタに出来ないから焦っちゃったんだと思う。許してあげて」
「ええ、それはもう大丈夫です。気にしていませんから」
「そう、ありがとう。私としては優秀な一年生が入ってくれたらこれほど心強いこともないんだけどね」
そう言って神月先輩が私の瞳をまっすぐ見つめてきました。いや、ですから私はこのタイミングでは部活には入りませんってば。私は愛想笑いをしつつ残りの紅茶とケーキを胃袋におさめます。このままここにいたら流されて強制入部させられちゃいそうですし退散するに限りますね。
「お待たせしました部長」
「遅い。カストちゃん食べ終わっちゃったじゃない」
「あら、これは失礼
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