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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第3話:新任執務官フェイト
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を落とし、目線を床に落とす。
再び目線を上げた時、その目線が通路の脇にある訓練スペースを捉えた。

「あ、ここって・・・訓練スペース?」

「そうだよ」

ゲオルグの答えを聞いているのかは定かではないが、フェイトの目は
訓練スペースの中に向いていた。

「ゲオルグって魔導師だよね。 ランクは?」

「陸戦Bだよ」

「そっか・・・」

フェイトは小さく声を上げると、ゲオルグの方に向き直る。

「ねえ。 今から私と模擬戦しない?」

「え? 今から?」

さすがに時間がないと思ったゲオルグが時計を確認すると、
今日に限って早く起きたせいか、勤務開始時刻には十分余裕があった。

「別にいいけど、フェイトさんのランクは?」

「空戦AAAだよ」

「それじゃあ勝負にならないよ。僕には良い経験だけど、フェイトさんにとっては
 トレーニングにもならないんじゃない?」

ゲオルグはあまりのランク差にしり込みしてそう言うのだが、フェイトは
首を横に振った。

「そんなことないよ。 それにここ何日か身体を動かしてないから、思い切り
 身体を動かしたいなって思って。 ダメかな?」

首をちょこんと傾げて訊くフェイト。
ゲオルグは少し顔を赤らめると、小さく頷いた。

「フェイトさんがそれでいいなら、お相手するよ」

かくして出会って2日目の朝、今後何度となく行われることになる
ゲオルグとフェイトの模擬戦の第1回目がここに行われることになったのである。


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