外伝
外伝1:フェイト編
第3話:新任執務官フェイト
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ってましたから。ハラオウンさん」
「私のことはフェイトでいいですよ」
「じゃあ、僕もゲオルグって呼んでください」
「うん、わかったよ。ゲオルグ」
フェイトはそう言って笑った。
フェイトが朝食を食べ終わると2人は揃って食堂を出て、
居住区画に向かって通路を並んで歩きだした。
夜直から昼直への切り替わり時間帯に入りつつあることもあり通路を行く人は多い。
また、フェイトは赴任したばかりということもあって注目されやすい立場にある。
かくして通路を歩きながらお互いのことについて話す2人は、すれ違う人々の
好奇の目を集めていた。
「フェイトさんは今何歳なの?」
「12歳だよ」
「へぇ、じゃあ僕より2つ年下なんだ。 それで執務官なんてすごいね」
ゲオルグが感心しながらそう言うと、フェイトは少し顔を赤くする。
「そんなことないよ。私の兄さんは11歳で執務官試験に合格してるし・・・」
「それはまた・・・すごいね・・・。って、あれ?」
ゲオルグはフェイトの話に唖然とし、次に違和感を覚えて声を上げる。
(11歳で執務官になった? ハラオウン? フェイトさんのお兄さんって
ひょっとして・・・)
「えっと・・・どうかした?」
難しい顔をして考えこんでしまったゲオルグに、不安そうな表情を浮かべた
フェイトが声をかける。
その声で我に返ったのか、ゲオルグはパッと顔をフェイトの方に向ける。
「ひょっとして、フェイトさんのお兄さんの名前ってクロノ?」
「え!? 何で知ってるの?」
ゲオルグが尋ねると、フェイトは自分の兄の名前を一発で当てられた驚きで
目を丸くする。
「やっぱりか・・・」
ゲオルグはフェイトの答えを聞き、複雑な表情を浮かべて頷いた。
「ねえ。なんでゲオルグがクロノのことを知ってるの?」
ゲオルグの顔を覗き込みながらフェイトが尋ねると、ゲオルグはひとつ咳払いして、
その口を開いた。
「うーんと、僕も直接お会いしたことはないんだけど、僕が士官学校に入った時に
先輩から聞いたんだよ。”去年の卒業生ですんごいのが居た”って」
「そうなんだ。 どんな評判だったの?」
「えっと・・・」
フェイトに問われ、ゲオルグは答えに窮する。
というのも、ゲオルグが聞いた評判というのが、”少年の皮をかぶった鬼”だの
”頭の中は完全に電子化されいるに違いない”だのといった、碌でもない噂が
ほとんどだったからだ。 畏敬の念を込めての表現とはいえ、妹であるフェイトに
そのまま伝えるのはさすがに憚られたのである。
「僕もスゴイ人だったっていうことしか聞いてないから・・・」
「そっか・・・残念」
フェイトは肩
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