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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第3話:新任執務官フェイト
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ベルトに対して、ゲオルグは苦笑しながら
答えを返す。

「ほほう。こりゃちょっとは可能性があるかな?」

「茶化さないでくださいよ!」

ゲオルグは少し不機嫌そうにそう言うと、目の前の夕食に手をつける。
その様子をヒルベルトは興味深げに見ていた。

(ちょっと前までは歳に似合わない淡々としてるヤツだったけど、
 最近は年相応に感情が出るようになってきたな。
 こっちが本来のゲオルグ・シュミットなんだろうが・・・)
 
思考を巡らせながらゲオルグの方に目を向けると、ちょうど目線を上げた
ゲオルグと目が合い、ゲオルグが不思議そうな表情を浮かべた。
ヒルベルトはなんでもない、と苦笑しながら手を振る。

(周りの目がニュートラルになったのが大きいな。
 そう言う意味ではクリーグのヤツが果たした役割は大きいか・・・。
 しかしなぁ・・・)

「なあ、ゲオルグ。ひとつ訊いてもいいか?」

「・・・なんですか?」

ヒルベルトが話しかけた時、ゲオルグは口に入れた魚を咀嚼している最中だった。
それを飲みこむために少しタイムラグがあって返事をする。

「お前ってお姉さんを亡くしてから、まだ半年しか経ってないだろ。
 その・・・平気なのか?」

「平気・・・ではないですよ。 ふとしたきっかけで姉のことを思い出したら
 胸が苦しくなることもありますし、姉を殺した犯人に対しては
 恨みはありますから」

「そうなのか。 でも、あんまりそういうところを見たことないけどな」

「それはそうですよ。 見せないようにしてますから」

「大丈夫か? あんまり一人で抱え込みすぎるなよ」

「ありがとうございます。 抱え込みきれなくなったら相談します」

ゲオルグは心配するヒルベルトを安心させるように笑った。





翌朝・・・
少し早く眼覚めたゲオルグは、まだ人影も疎らな食堂で一人朝食を食べていた。

「おはようございます。 あの・・・隣、いいですか?」

不意に話しかけられたゲオルグが振り返ると、そこには朝食の乗ったトレーを持つ
フェイトが立っていた。

「どうぞ」

「失礼します」

フェイトはゲオルグの隣に腰を下ろすと、自分の朝食を食べ始めた。
2人は特に会話もなく黙々とそれぞれのペースで食事を続ける。
やがて、先に食べ始めていたゲオルグが食べ終わり、フェイトに断って
先に席を立とうとした時、フェイトが声を発した。

「あの・・・シュミットさん、でしたよね?」

「ええ、そうですよ」

「よかった・・・。昨日、挨拶に回った時に同年代の人がいたから
 お話できればいいなって思ってたんです。迷惑でしたか?」
 
「いえ。僕もお話ししてみたいと思
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