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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第3話:新任執務官フェイト
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ングリラの乗組員たちの
ゲオルグに対する見方が少し変わったのも事実ではあった。

もちろん、すぐにすべての人がゲオルグに好意的になったわけではない。
むしろ、懐疑的であった人たちが大多数ではあった。
しかし、大多数がゲオルグに対して批判的な目を向け、ありのままのゲオルグを
見ようとしない状況に比べれば、はるかにましではあった。

その後の半年間、真面目に訓練に励み、真摯に任務と向き合うゲオルグの姿勢を
見るにつけ、少しずつ周囲がゲオルグに対して好意的になっていったのである。

かくして、シャングリラに赴任してきて1年。
紆余曲折はありながらも、ゲオルグは大多数の乗組員からの信頼を勝ち得ていた。





模擬戦を終えたゲオルグとクリーグが模擬戦の内容について談笑しながら
訓練スペースを出ると、2枚のタオルが2人に向かって放り投げられた。

「お疲れ」

「それはどうも・・・って、ヒルベルト2尉!?」

「ヒルベルトさんじゃないですか。 ありがとうございます」

クリーグとゲオルグはヒルベルトに対してそれぞれに反応する。

「どういたしまして。それはそうと、お前ら最近よく2人で模擬戦やってんな」

「そうですか? まあ、僕たちは戦い方が近いですからね。
 お互い勉強になっていいんですよ」

「なるほどねぇ」

ゲオルグの答えに納得したのか、ヒルベルトは深く頷く。

「すいません。 シャワーを浴びたいので、失礼します」

「お、そうか。引き留めてすまんな」

「いえ、失礼します」

上官二人に挟まれて居心地が悪かったのか、クリーグはそそくさと退散した。

「では僕もシャワーを浴びに行きますね」

そう言ってクリーグのあとを追おうとしたゲオルグの肩をヒルベルトが掴む。

「何するんですか?」

「まあ、一緒にメシでもどうだ? ちょっといい情報を仕入れたんだよ」

「・・・仕方ないですね」

ゲオルグは肩をすくめるとヒルベルトとともに食堂へと歩き出した。

2人が食堂についた時間は夕食には少し遅く、ちらほらと夕食を食べる人影は
あるものの、ピーク時間帯に比べればガランとしている。
ゲオルグとヒルベルトはそれぞれの夕食を手に、向かい合って座った。
ゲオルグが夕食に手をつけ始めたところで、ヒルベルトが口を開く。

「そういえばお前とクリーグの模擬戦な、何人か熱心に観戦してるやつがいたぞ」

ヒルベルトはそう言って何人かの名を挙げる。
いずれも、近距離戦を主体とする魔導師である。

「そうなんですか? 気づきませんでした」

「だろうな。 結構派手にやりあってたからな」

「ええ。 デバイスで魔力負荷をかけてますから」

「そ
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