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武で語るがよい!
高町さんの部屋にて…その2
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とよく居る藤田達の事…」

「う、うん……」

「実はあいつらと約束が有ってさ……。
その約束が果たせるまで、俺は同世代の人を名前で呼ぶのは控えてるんだ」

「……約束?」

高町さんは首を傾げ、質問をする……。

「あぁ、アイツらと友達になった時に約束した事でさ…
簡単に言えば……俺にスポーツで勝つか、スポーツで俺を納得させる事ができたら
藤田達の名前を呼ぶって約束だ」

「えッ!? で、でも…神田君にスポーツで勝てるはずが……」

「いや、そうでもないさ……。
俺は身体能力は高いけど…技量はそんなに高くないんだ
だから、アイツらが技量方面で俺を圧倒できたなら……勝てるさ」

実際、藤田達は強い……
藤田は半日でカーブを身に着けてきたし……
伊月や長野達も最近は真面目に部活動に取り組んで力を付けてる。
そう遠くない内に俺に勝つだろうな……。

「という訳で……悪いんだけど…名前で呼ぶのは保留にしてくれ
呼び方はどうであれ、俺は2人の事は友達だと思ってる……でも、
もしそれが嫌で、耐えられないなら……俺の事は友達として見なくても―――」

『友達として見なくてもいい』と言おうとした時である…
高町さんが突然俺に歩み寄り、右手を両手で握る…。

「にゃはは……アリサちゃんの言う通りだね、神田君って」

そう言って高町さんは微笑む……。
だが……高町さんの行動と言葉の意味が読めず、少々困惑する。

「えっと……どういう事?」

「神田君が律儀な人だって事だよ。
名前を呼ばれないのは寂しいけど……その約束が終ったら呼んでくれるんだよね?」

「そ、それは、もちろん!」

「そっか……なら、私…待ってるね、神田君が名前を呼んでくれるの」

高町さんは手を握りながら……微笑ではなく、満面の笑みを浮かべる
もうその顔には悲しさなどの負の感情は篭っていない……。

「僕も待ってるよ、神田」

そして、スクライアも満面の笑みに戻る…。
あぁ、お前ら……良いやつらだな!!

「ありがとな、2人共……」

そして、俺も満面の笑みで笑う……。もう少し、こうしていたい所だが…
生憎、もう帰る時間が押してるので俺は手を振り、高町さん達に別れを告げる。

「それじゃ、また明日な!」

「うん! またね神田君!」

「じゃあね! 神田!」

高町さんとスクライアからも手を振りながら、言葉を掛けられる…
こうして、俺達はお互いに見えなくなるまで手を振り合っていた―――






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