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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
A CAPTIVE TITANIA C
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「さて、村人は全員倒して封印したし、神殿に入りますか。」
と言うと一輝は神殿の扉に手を当て、普通に開けた。
「普通に開けるんですね。意外です。」
「おいおい。その言い方だとまるで、俺が破壊して入ったほうがイメージ通りみたいじゃないか。」
「さっきまでの戦い方をして、そのイメージがもたれないとお思いなのですか?」
《あれぐらいでそんなことを言われてもな〜。》
「ま、そんなことはどうでも良いからさっさと入ろう。」
「自分のイメージはどうでもいいのですか・・・」
この程度なら、一輝からしたらどうでもいいようだ。
どこからアウトなんだろう・・・
「ところで、この光景を見てたときから気になってたんだけど・・・」
「なんでしょう?」
「なんで、建物の中に入ったのに、庭園なの?太陽光っぽいのも上から感じるし。」
そう、神殿の中に広がる空間は茨の壁に囲まれた美しい庭園だったのだ。
先のほうには茨で出来た迷路があり、入ってすぐのところに変な祭壇みたいなものがある。
「それは、富士蔵村に入ったときと同じようなものです。」
「別の空間に飛ばされた?」
「はい。」
一輝、今日三回目の別空間へのワープである。
「・・・もういいや。この程度のことは気にしないようにしよう。箱庭ではよくあることなんだ、きっと・・・」
「確かに、よくあることですね。自分のゲーム盤を持ってる主催者もいますし。」
「ここにも富士蔵村みたいな名前はあるの?」
「はい、あります。“
妖精庭園
(
フェアリーガーデン
)
”と言います。」
「ふ〜ん。じゃあ、さっさと進もう。」
一輝は迷路を躊躇いなく直進していく。
茨を切り裂きながら。
「・・・迷路を普通に攻略する気は?」
「ない。なんか、奥から何かに謝ってるみたいな声も聞こえるし。急いだほうがいいかなと。ちょっと走るけど、大丈夫?」
「ええっと・・・この格好だと・・・」
確かに巫女服では走りづらいだろう。
「う〜ん・・・仕方ないか。急ぎたいから我慢してな。」
「え?なにを・・・って、え!?」
一輝は鳴央の膝裏と背中に手を沿え、お姫様抱っこをした。
「ちょっと一輝さん!?」
「悪いけど急ぐからこのままな。あと、舌噛まないように気をつけて。」
その一言を言うと、目の前に空気の刃を作りそれで切り裂きながらものすごいスピードで走っていく。
「いやっほー!!」
「キャー!!!」
二人は声を上げながらどんどん奥へと向かっていった。
===============
「よし。この辺から歩こう。」
一輝は、ここからすこし進んだら声の元にたどり着くと言う辺りで止まり、鳴央をおろした。
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