決勝戦
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こうとしない。
あまりにもおかしいと思い一度攻撃を止めて、シードの顔を見る。そこには何事もないように自分を見上げるシードの顔があった。そしてHPも確認すると一ドットすら減っていない。
「……どういうことだよ……」
あまりのおかしな出来事にゲツガは力が抜けてしまった。その瞬間、シードはゲツガの体を投げ飛ばし、立ち上がる。
「さてとどうだった?俺を殴った感想は。すっきりしたか?それとも、恐ろしいと思ったか?」
シードはゲツガを見てそう言った。恐ろしいともスッキリしたとも思わない。ただ、自分の攻撃が何で通らないんだという疑問しか頭になかった。
「今のお前じゃ俺に勝てない。それが答えだ」
完全に心を読まれたようにそう言われた。
「なんでって顔だな。どうせお前もあとで俺らのお仲間になるんだからあの方たちも許してくれるだろうし教えてやるよ。俺の入ってるこのプレイヤーを倒すには俺らと同じ奴でしか倒せない」
それだけ聞けば普通に理解できる。つまり、こいつ、いやウィルスを倒すにはウィルスではなくてはならないことだ。
「……それならどうやって勝つって言うんだよ……」
あまりにもふざけすぎた現実を聞いたゲツガはその場にへたり込みそうになる。自分は殴ることは出来ても倒すことが出来ないなんて、あの時と同じだ。ALOでのあの時と。
(ハ……シ…ケ………ロ…)
また心のそこでそのような思いが生まれる。だが自分はそれだけはしたくない。途切れ途切れでわからないはずなのだがわかってしまう。再び頭を振って思ったことを振り払い、再びシードを見る。たとえ、食らわないといったて必ず穴があるはずなのだ。そのシステム的穴を見つけ出す。
「まだ勝てないって決まったわけじゃねえ。たとえ、無理だからって何もしないで俺は諦めねえ」
自分の顔を両手で叩き、へたり込みそうな足にも喝を入れる。
「諦めるのはガラじゃないんでね。抗ってやるぜ。シードォ!!」
「諦めたほうが楽なのによぉ!!」
そしてウィルス、シードとの戦いが始まる。
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