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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#12 マルクト軍艦タルタロス
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言う音? が聞こえた気がするが……、それよりも。

「わぁぁぁ!! み、耳がぁっ!」

 響いた音は、鼓膜を思い切り揺らし、衝撃を与え続けた。アルは、その少女の絶叫で耳を塞いで悶絶してしまったのだ。
 因みに、女の子の隣にいた男の子の方は笑顔で、耳を塞いでいた。

「あ、ははは……。どうもすみません。 でも、目が覚めてくれて、本当によかったです。お身体の方は……、大丈夫ですか?」

 男の子が笑いながら話しかけてきた。でも 何処か心配をしてくれている、と言うのも感じた。

「あ……ははは……、う、うん。だいじょう……、いや、耳以外は……だけど……」

 アルは、苦笑しながら答えた。先ほどの大絶叫での音波攻撃がなければ、多分健康体の筈だったから。

 それも、幾ら大絶叫でも、所詮は人間のものだし、一応……攻撃じゃないし。彼のその声も辛うじてだけど聞こえる。

「ははは、そうですね。アニス!!怪我人の前で 突然そんな大声を上げちゃダメじゃないですか」

 隣の女の子に注意をしていたけれど、悪気があった訳じゃなさそうだ。

「だーーってーーー、 彼、やっと目が覚めてくれたんですもん! イオン様も、私の気持ちわかるでしょ〜?」

 そう言っていた。どうやら2人は 女の子のほうがアニスと言う名で 男の子の方がイオンと言う名らしい。
 自分がいる事を忘れたかの様に、それはそれは、 楽しそうに言い合いをしていた。 

「あはは……お楽しみのところ申し訳ありませんが……。ここはいったい……? それにオレ……どうなったんですか?」

 まだ話している2人に アルはそう聞くとやっと返事が返ってきた。

「ああ……すみません。 貴方はアクゼリュスで魔物を討伐した後、倒れてしまったんです。 とりあえず町の医療設備だけでは、十分な医療を受けられないのでセントビナーまで貴方を運びました。といっても運んだのは僕じゃありませんが……」

 イオンは 苦笑しながらさらに続けた。

「とりあえず、命には別状はなかったのですが、意識が戻らない原因がつかめないらしく…… これ以上何も出来ないといわれましてね。 で、それならばタルタロスの医療器具で十分と言うわけで、ここで治療の方を続けていました」

 イオンからの説明は終わった。でも、その説明を訊いて、アルは素朴な疑問が生まれた。

「えーーっと。……なんで船の上の医療室で? そのまま病院の方が良かったのでは?」

 そう、その事だ。
 患者を移動させながら治療するよりは大きな病院で安静の方がいいのは当たり前だと思うし……、あまりこうはっきりと言いたく無いけれど、常識だと思う。
 この部屋は比較的静かで振動はないのだが乗り物の上なのはかなり不安だ。

(まあ、も
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