暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第29話 悲劇
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ない、有無を言わさない迫力で。

「よし いいぞ! リュウキ!!」

 キリトが、サチの安全を確認するとそう叫ぶ。部屋の外にまではどうやら、中の敵は追ってこない様だ。部屋の外にも当然モンスターは存在するが、今は幸運な事に出現はしていなかった。その隙にサチを街まで逃がしたのだ。


「ああッ!」

 リュウキは、それを訊くと再び剣を構えた。

《極長剣・広範囲剣技 ソードスキル エターナル・スラスト》

 その極めて長い剣をフルに生かした前方180°の重範囲攻撃だ。扇状に剣閃が伸び、その刀身よりもやや長い距離まで剣閃は伸び、敵をなぎ払う。

 その範囲にいたモンスターは硝子片となって砕け散っていった。

 そして、前方を確認するともう、敵は1割もいない。2種類のソードスキルがいい具合に纏めて入った様で、大分敵を効率よく排除する事が出来た様だ。

 リュウキはそのまま、決して油断はせず、残党をなぎ払いながらキリトの方へと向かっていった。



 部屋の外でキリトに訊くとサチは、既に街に結晶で逃げたとの事だ。サチがいないこの状況はリュウキにとって、好都合だった。事の顛末を聞く為にだ。
 キリトがいたのに、どうしてこんな事になったのかを、聞きたかったのだ。

「何故だ?……何故、ここにいるんだ、キリト。……お前達が。何で、お前がいて……」

 リュウキは、高ぶった気を何とか静め、落ち着きを取り戻していた。……冷静になった頭でよくよく考えると、最前線近くにいるあのパーティ事に驚いたのだ。

 あの時、10層での戦闘を見た時からまだ約2ヶ月しか経っていない。
  
 キリトと同等のレベルか、もしくは無理なレベリングをするのなら兎も角、あの時のあのゴブリン達に梃子摺っていたレベルのメンバー達がここまでこられるとは到底思えないのだ。
 何よりも安全を考えるのなら。

「オレの……オレのせいだ」

 ……キリトは自身の震える身体を抱いた。そして、崩れ落ちる。

「オレの……思い上がりが……月夜の黒猫団を……皆を殺した。オレさえ……関わらなければ……オレが……関わったばかりに……あいつらを………」

 静かに告白するキリト。……だけど、それは半狂乱になりかねない程のものだと感じた。


 キリトのその姿見て、リュウキには ある光景がフラッシュバックした。

 そして、キリトの身体が薄れていく。キリト周囲の空間が歪んでいく。そして映し出されるのはある姿。

――……目の……錯覚……?


 そう思ったのも無理は無いだろう。 だけど、それは違った。

『うっ……うっ……』

 涙を流し、崩れ落ちている少年の姿。傍らには……誰かが少年を支えている。

『ぼ、ぼくが、ぼくの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ